「夫婦愛。家族愛。うまく織り交ぜていた。」トワイライト ささらさや tomo55さんの映画レビュー(感想・評価)
夫婦愛。家族愛。うまく織り交ぜていた。
夫ユウスケが交通事故死。しかし・・残された妻が心配で成仏できない・・。生きている人間にのりうつって妻と対面し会話する。この題材が面白い。ファンタジーなんだろうがいやらしくなく・・ほっこりさせられた。とっても和む。そして考えさせられた。
のりうつる人々のサイドストーリーもしっかり描いていてそこも見応えあった。スナックのママとその息子のストーリーには号泣。ストレスで言葉を発することのなかった息子がユウスケがのりうつったことによって突然話し出す。しかも自分の心の声も母に対する気持ちもユウスケの言葉に乗せて語る。このシーンはグッときた。
前半より後半にかけてこの題材が深みを増していて実に考えさせられた。いつか離れ離れにならなければいけない。残された妻と我が子。ユウスケもまた涙ながらにさやに語りかける。いいところでいつもかゆくなってタイムリミットになるあたりは滑稽で面白かった。
最後は実の息子にのりうつっていた。ここはウケた。でも、強引に自分の父親との関係をクリアにもっていく・・。この展開にはちょっとビックリだったが・・なぜか泣ける。大泉さんの美しい涙にそそられて・・泣いてしまう。不思議なくらい。
さやが後半にかけて実に強い母親に成長していた。
そしてやってくるお別れの時。ここは夫ユウスケに感情移入してせつなくなった。でもさやがラストでしっかりとしたまなざしで空を見つめていて、後味よく、なんかほっこりあったかい気分になれた。
エンドロールでコブクロさんの歌。これが感動をそそる。
実にいい映画をみたーって充実感。日本映画いいなーって改めて思った。
役者陣も難しい演技を求められたと思う。特にユウスケを演じなければいけない・・むずかしさ。
面白い作品。 良質さを感じました。