「最初からヒトの話がしたかった?」365日のシンプルライフ doronjoさんの映画レビュー(感想・評価)
最初からヒトの話がしたかった?
クリックして本文を読む
面白い実験だったが、予定調和な筋書きに沿った展開と感じられてしまったために、ドキュメンタリーとしては少し物足りなさを感じた。
彼は、モノの話ではなく、ヒトの話を最初からしたかったのだと思う。
*
彼女というヒトと離れてシンプルライフへの決断。
友人というヒトとの助け合いなしには生きていけない状況に。
必要なものを満たすモノの後はヒトとの関係を豊かにするモノが必要になる(携帯電話や彼女との釣りシーンなどに象徴)
中盤の、「彼女をパーティーに連れて行ったら責任が発生するかな?」というニュアンスの発言、明らかにそれに導かれた後半の「モノの所有には責任の重みが伴う」という悟り。
そして、そのシーンの直後から、彼女が顔出しする。
映画を観る全世界のヒトに彼女を紹介し、その責任を引き受けるという宣言である。
*
モノという題材で、最初からヒトの話を暗喩し続けているので、それは編集の力だけではなく、最初からそういう展開にすべく撮ろうと思っていたのでは、と感じてしまった。
7日目ですでに、これ以上物が要らない感じたというあたりからも、今後の展開が見えてしまい、中だるみにつながったかもしれない。
コメントする