ガーディアンのレビュー・感想・評価
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守護天使(Schutzengel)
証人を消そうとする殺し屋軍団から証人の少女を守る型破りな警官との逃避劇と言ったら似たようなシチュエーションは数多あるのでハラハラさせたいだけのアクション映画かと思ったら途中から急に真面目になって重たい話。
主人公はおじさんだが滅茶苦茶タフなヒーロー、彼女にとってはまさに守護天使(Schutzengel)なのだがアフガン戦争のトラウマを抱える兵士の苦悩が語られる。少女もまた可哀想な孤児で非行に走り人生に醒めきっているという重たい身の上話・・。
良くも悪くもこの辺の人間臭さが類似のアクション映画との決定的な差、ただ2時間13分は長すぎよう。エンドクレジットでも兵士への慰労と謝辞が出る。ど派手な打ち合い、死体の山も戦争のメタファーなのかもしれません。
ただ、製作・脚本・監督・主演に加えて実の娘との共演と相当入れ込んだティル・シュワイガーですが良心的兵役拒否者でアフガンには行っていません。そんな彼が兵士の気持ちに寄りそうような本作を作ったことに腹を立てた連中から車を焼かれたり新築の別荘にペンキを塗られたり酷い厭がらせを受けたようです。
敵役の武器商人は正体不明の仕置き人によって爆殺されて一件落着というのも意味深、実際に戦後、隠し資金を使って事業を興したナチスの残党が結構いるようです。
ドイツ映画らしいヘビーなアクション作品、悲しい結末と思わせてのハッピーエンドは興業的配慮でしょう。
ドイツらしい作品でした。
監督と主演を兼ねたティル・シュヴァイガー、決して整った顔立ちではありませんが、なかなか渋くて佳い感じですね。
ストーリーはありがちですが、ドイツの映画らしくハリウッド映画のように弾けた感じは無く、落ち着いた印象の作品でした。
とは言ってもガンアクションはリアルで迫力が有り、映像としても格好良かったです。
ただ、終盤のガンファイトで主人公がどのようにして生き延びたのかも謎でしたし(ここは重要な見せ場だと思うのですが…)その後の展開も幾ら何でも端折り過ぎですよね。
雰囲気も主人公の造形も良かっただけに残念でした。
次回作に期待したいです。
余談ですが、主演のティル・シュヴァイガー、この時48才だったんですね。もっと若いと思っていました(;^_^A
あと保護対象となっていた少女、ティル・シュヴァイガーの実の娘さんだったんですね。
父娘だからこそ息の合った演技が出来たのかもしれませんが、もう少し魅力的な少女だったら(失礼)作品自体の印象ももっと良くなったような気がします。
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