「素晴らしい会話劇ですね。」ぼんとリンちゃん バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい会話劇ですね。
小林監督祭り二本目です。できる限り鑑賞したいですね。
やはり小林監督の脚本は見事だなぁと感心です。
セリフやセリフ回しが僕の好みにぴったりなのでしょうかねぇ。本作はヲタクさんたちが主人公です。故に、アニメや漫画ネタのセリフがバンバン飛び交いますし、ヲタクの方々が使っているであろう言葉を多用します。
だから観る方によっては「なんのこっちゃ?」なセリフも多数ですが、僕はそこそこ漫画もアニメも好きですからついていけました(笑)でも、結構良いセリフあるんだなぁ・・ってこれまた感心。
さてさて、「ももいろ〜」鑑賞してから本作だったからかもしれませんが、非常にわかりやすく描かれた作品でした。実と虚、理想と現実、価値観の相違、社会を知るという違和感などなど、なんとも思春期終わりごろの若者なら誰でも通る(であろう)葛藤を描いています。
ヲタクという衣を着た頭でっかち(っぽい)で理想を求める子と、社会での生活という具体的な現実を生きる子の対比でそれらはクライマックスを迎えます。クラマックスは見応えあります。
答えは一つじゃぁないんだよなぁ。。。ってつくづく思いましたよ。みんな、それぞれ、自分の「正」の上に生きていっていいんだと思います。生き方は押し付けられるものではないから。けど、同じだけ気にかけてくれる友人、そばにいてくれる人は大切。・・・結構、ちゃんとしたメッセージが受け取れる作品なのではないかなぁ?って思いました。
あと。。。。大人ってだらしないなぁ、情けないなぁ・・・。世の中の大人ってこう見られているんだろうなぁ・・・しっかりしなくちゃぁな。
会話劇として秀逸ではありますが、それを具現化させる演者さんたちは本当に見事です。しっかりとヲタクです。(僕が持つヲタクさんのイメージ通りってことです)まだ二本目ですが、小林監督はどのように演技をつけているんでしょうね。「きっと居る」って思っちゃうんだよなぁ。凄いなぁ。感心です。
それと、長回し!!長台詞!いやいや、凄いですよ。
非常にスッキリ!楽しめる作品でした。良作です。