「その鏡が映し出すのは…」オキュラス 怨霊鏡 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
その鏡が映し出すのは…
公開は2014年(日本では2015年)。
どうせよくある類いのB級ホラーの一つだろうと、ずっと未見で埋もれたままにしていたが、
たまたま機会あって見てみたら、これがなかなか面白い!
上質のホラー!
ある家族の過去の惨劇。
父が母を射殺。
凶行はケイリーとティムの姉弟にも迫ろうとしていたが、ティムが父を射殺する…。
10年後、精神病院を退院したティムと共に、ケイリーは家族の惨劇の原因を突き止めようとする。
ただの恐ろしく悲しい惨劇ではない。
原因は何かある。
そう。あの“鏡”が家に来た時から…。
過去と現在が交錯して展開。
過去パートは、次第に精神を病んでいく母、次第に狂気に陥っていく父…。
劇中の姉弟のトラウマさながら、恐怖演出はじわじわ煽る。
古ぼけた鏡は何処か不気味で、頻繁に目撃する超恐面の謎の女はショッキング!
現在パート。
父の凶行と自身の罪を認めるティム。
が、ケイリーはそれを認めようとしない。
原因は全て、あの鏡。鏡の呪いか何かのせい。
鏡にまつわる曰く付きの過去を徹底的に調べ上げ、その執着心は異常なほど。
と同時にそれは、家族を信じ愛しているから。優しかった父、可愛い弟が、自らの意思であんな恐ろしい事をする筈が無い…。
見解が衝突する姉弟。
が、遂に、ケイリーが主張する鏡が引き起こしたとしか思えない怪奇現象が…。
話が進むにつれ、過去と現在がさらに交錯と言うより、まるで一体に。
加えて、現実か幻か、区別が付かなくなっていく。
父の爪の傷、母のお腹の傷痕、そしてケイリーが手に取り食べたのはリンゴの筈だったのに…グロく痛々しい描写。
ラストシーンも衝撃的で、後味悪く。
モチーフになっている鏡そのもの。
今、鏡が映し出しているのは、真実なのか、悪夢なのか…。
素顔よりあの奇抜な青色サイボーグメイク顔の方が知られているカレン・ギラン。
『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』の時もそうだが、あのメイクを落とすと美人さん!
熱演も魅せてくれる。
上々のホラー演出を見せた監督のマイク・フラナガン。
調べてみると、ホラーを中心に活躍。残念ながらそのほとんどが日本では劇場未公開もしくはNETFLIX配信。
…が、しかし!
先日、今冬公開が決まったばかりの『シャイニング』の続編『ドクター・スリープ』の監督をするではないか!(NETFLIX配信映画で、キング原作の作品を手掛けた事あるとか)
いやはや奇遇!
『ドクター・スリープ』自体も非常に楽しみだが、監督の手腕にも期待!