「古典的だがツボを押さえた名作」オキュラス 怨霊鏡 MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
古典的だがツボを押さえた名作
「ドクター・スリープ」の監督に抜擢されたマイク・フラナガン監督作品。日本では大規模な公開をされなかった本作だが、かなりの名作ではないか。アイデア溢れるホラー界では、「ドント・ブリーズ」や、「ゲット・アウト」などの話題性のある名作が次々と誕生している。対照的に、王道かつ古典的なホラーの良作が減少している様に感じていた。作品数は一定量あっても、作品のクオリティなどが同等レベルで正直飽きた部分もあるからだ。それを払拭した一つが本作である。
呪いの鏡と対峙する姉弟を描いているのだが、二人が幼い頃に父が母を殺害するという悲惨な事件があり、それも鏡と関係のあるものだった。大人になった二人は曰く付きの鏡と決着をつけるべく立ち向かうのだが、それが恐ろしい事態を招く形になる。
昔ながらのホラーだが、ストーリーがしっかりしている点も相まって見ごたえのある作品だった。鏡の持つ魔力で幻影と現実が分からなくなるシーンが多用されるが、時系列も入れ替わるため難しいところは難しいだろう。しかし、こういう部分が後半に生きてくるため決して見逃してはいけない。驚愕のラストも必見だ。
後半に畳み掛けるように訪れる謎の解明等は非常に凝っていて面白い。共に恐怖度も増す。更には製作陣の表現力が良いのか、映像も美しく、演出も凝っているように感じる。ミステリとしても十分に満足できる完成度だが、しっかりとしたホラーでもあるため、しっくり来る作品が見たい時には強くおすすめできる作品だと思う。
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