「暗く輝く映像美の中で描き出される、モラトリアムで「麻將」な世界」カップルズ えあさんの映画レビュー(感想・評価)
暗く輝く映像美の中で描き出される、モラトリアムで「麻將」な世界
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昔々観たた時から「なんかメチャクチャ惹き込まれる」と思ってたんだけど、4K版でリバイバルしてるってことで久しぶり(なんと、あっというまに30年!)に観ました。
現代にも通じる、当時よく使われていたモラトリアム(!)な熱や空気感みたいなものが怒涛の如く蘇ってきて、とても感慨深く、今思えば、なんだかんだ、生意気で、つけあがってた、タカビー(笑)な時代が、走馬灯のように蘇ってきました!!
(一番初心っぽいルンルンの、黒タンクトップ+ジーンズファッションが、また、妙に当時を象徴していて超懐かしい)
ちなみに、原題の「麻將」とは、すなわち、表面的には、楽しくギャンブルのような日々に興じながらも、それぞれが、損得を勘定しながら、探り合う、アンバランスな危なっかしい関係性ってことなんでしょうか?
にしても、ラストはどう捉えればいいんだろう・・・?
マルトには、得も言われぬアバズレ感があるし。
ルンルンにも妙な危なっかしさがぬぐえない。
最後、仲間内では「不吉」といわれていたキスを交わす二人を、どう捉えるべきなのか・・・?
もちろん、希望への第一歩とも受け取れる反面、個人的には、
(単なる配給会社の名前とはいえ)最初に映し出される「Bitters End」の文字が、
最初から最後まで、ずっと頭にこびりついて離れませんでした。
(ニューシネマ好きの自分としては、どこか「卒業」のラストシーンに近いものを感じます)
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