「ユーモアとウィットだけではどうにもならぬこともあるわけだが・・・」ローマに消えた男 はるさんの映画レビュー(感想・評価)
ユーモアとウィットだけではどうにもならぬこともあるわけだが・・・
「グレート・ビューティ」以来、トニ・セルビッロに魅了されてしまっている。この利よりの八の字眉毛に、ただそれだけにほだされてしまっている。政治家の役にはピッタリだ。イタリアの政治には全く関心も興味も沸きわしなかったけれど政治家の性質を知るには面白い映画だ。太平洋の向こうの国の大統領選挙のお祭り騒ぎと対比してしまったけれど愚かさを可愛げに変えてしまえるのは年寄の政治家にしかできないと痛感した。国の政の本質を見抜けぬ者は国をまとめることはできないしそれを知らしめるためには敵を明確に指摘するのは最も野卑で下劣な方法なのだ。攻撃する相手にはユーモアとウイットで返答しすかさず本意を突く言葉を投げるだけでいいのだ。
この映画の痛快さは、随所に散りばめられている。しかし、ラストほど絵にかいた痛快さはない。
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