ショート・タームのレビュー・感想・評価
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実際は、そこが難しいんだけどね…
生きていれば誰だって何かしら有るんだよ…何て事を優しく前向きな目線で描いた作品。
大切なのは自分を見つめ、他人を理解しようとすること。
誰もが特別で、誰もが特別ではない。
そんなメッセージが、押し付けがましくなく伝わって来る良作。
途中女性職員のヒステリーに僻遠したり。
そのパートナーの男に「許しちゃ駄目でしょ?!」なんて思ったり。
行政システムの融通の利かなさにヤキモキしたり。
施設の子供たちの一挙一動に、イラッとしたり微笑んだり。
現実にはなかなか出来ないけれど。
「人と人とが社会の中で付き合う上で大切なこと」を考えさせてくれる作品。
ポスターにもなっているラストは、爽やかな涙間違いなし!
ドキュメントっぽいつくりに共感度アップ
米国の未成年の保護施設の日々を綴った作品。決してハッピーエンドに終わる作品ではなかったけど、ほっとするかんじがあったのは、施設の利用者もスタッフも若くて大人ではない。だからこそ問題に必死に向き合おうとする姿が描かれてて、そこに共感したからだろうと思う。
ドキュメンタリーではないけど、なんかそんな呈がいいかんじでした。
すごく良かった
内容は重いんやけど、全然しんどくなくてグイグイ映画の世界に入って行ってた。
ドキュメントじゃないかなって思えるほど、施設に入所してる子供達もリアルやった。
途中何度か泣きました。
お薦めします。
しずかにしずかに受け止めて。
子供時代にうけた深い心のきずを抱える施設のスタッフと、心に傷を負った施設の子供達との触れ合いをたんたんとしっかり描いた良心作。
ただただなだめるだけでなく、受け止めながらほっとく難しさ。主人公は子供達を立ち直らせることで自分も立ち直ろうともがいてるのかも。
生きてると、信じる人を見つけることがどんだけ必要か教えてくれる爽やか作品でした。
苦しくてやるせなくて暖かい物語
アメリカの、いわば児童養護施設の話です。かなり重い境遇の子供たちが預けられていてとても胸が苦しくなりました。
本当。かなり、重い。
難しい問題で。
解決の道はあるのか。少しでもその問題を軽減するには何をすればいいのか。
もし自分だったらどうしたらいい?
何をすると思う?
主人公の職員の女性も問題を抱えています。彼女の境遇もかなり重いものです。
彼女だからこそ、その子供たちのことでわかること、できること、それが多々あると感じました。
かといって、そういう経験がないと子供たちを助けられない?いや、そうではないと思いました。作中でネイトという分からず屋が出てきます(笑)彼の成長も涙もの。
3人の子供たちが主にクローズアップされて描かれています。
本当に苦しくて、やるせない。
様々な問題に対してどうしたらいいかわからない。
ですが、彼らにとって、ただひたすらにそれが日常で、乗り越えていかないといけない日々なのです。
可哀想?そんな言葉はナンセンス。
勝手に部外者が言っていればいい。
これを見たらわかります。
一生懸命に生きようとし、諦めたくても断ち切れないその想いにもがき生きる姿が、いかに美しいか。
支えあい、寄り添って。
心を開き。
その距離感にぶつかり合いながら。
一進一退して自分と向き合っていく。
人は他者の支えがあってようやく自分が形成されてるのだと思いました。
ただ淡々と。淡々と描いてます。
役者の演技にも好感が持てました。
暖かい物語です。
見てお金の無駄だとは絶対にならない作品でした。
抱きしめてやりたい。
ショート・タームとは青少年向け短期保護施設の名称で
虐待や心の問題を抱えた青少年を一時保護するらしい。
施設ではケアテイカーと呼ばれる職員が働いているが、
彼らは敷地外へ出た少年たちに一切触れることができない。
そのため、緊急サイレンが鳴ると彼らを全力で追いかけて、
敷地内で何とか追いつき彼らをなだめ落ち着かせるのである。
奇声を発し半狂乱で飛び出した彼らの呼吸が静まっていく…
冒頭のこの光景を観るだけでショックを受け、興奮度は大。
物語はここで働くマネージャーのグレイスを追う。
しっかり者で皆の世話係を一手に引き受けている彼女だが、
実はある秘密があった。同僚の彼メイソンとの間に子供が
できるが、なぜか彼女は堕胎しようとする。一体どうして?
時を同じくして施設にジェイデンという少女が入所する。
彼女のケアを任されたグレイスはとある事実に気付くのだが、
それは自身の抱える問題と向き合うことを意味していた…。
冒頭の走り込みから一気に引き込まれ、観ている間ずっと
呼吸が乱れっぱなし。恐怖と悲劇が喜びや希望に変わるかと
思うと、突如絶望に変化。こんな感情の起伏を私達一般人は
なかなか体験できない。家庭で実際にこんなことが起きている?
と疑いたくもなる彼らの於かれた現状に、胸が痛くなるばかり。
だったらずっと、この施設に置いといてやれよ!とも思うが、
それができない。彼らはいずれ親元へと返されるのだ。
人間は無力だと感じずにはいられないが、それでも後退しない。
グレイスは、自身の問題解決を図ろうとジェイデンに
どんどんのめり込んでいくが、その強さは自分を守る温かい愛が
あってこそ。お互い不幸な出自でもメイソンは愛情溢れる養父母
によって育てられていた。それがどんなに大切なことか分かる。
ドキュメンタリーを元に構成されたらしいが、
そのリアル感を全く失わず映像に収めている。是非全国公開
されて欲しいと思う秀作である。短期ではなくもちろん長期で。
(登場人物を全員抱きしめてやりたい。人生を諦めずに頑張れ!)
小さな希望が生きる糧になる
ショートターム、いい映画でした。
見てよかったです。
重い話です。問題を抱える子供たちを保護する施設で働く職員と子供たちのお話です。
奇をてらう演出や泣かせの演出は何もありません。淡々と描写するに努める描き方です。
それでいて登場人物たちの苦しみが流れ込んできて、泣かずに見ることはできませんでした。
施設を出ることが決まっているマーカスが髪を剃りたがった理由、
父と自宅で過ごせる週末をアピールするジェイデンが隠していた事、
恋人との子供を喜べないグレイスがその訳を恋人に話せない事情。
本当にどれも辛い、辛すぎる。普通に恵まれていると想像も出来ないかもしれない。
中でも職員であるグレイスが抱える苦しみは、想像するだけで胸が苦しくなる。
そのせいか、状況が重なるジェイデンがほっておけなくて、職員としてはいささかやり過ぎなゾーンへ踏み込んでゆく。
でもそのやり過ぎがジェイデンを少しだけ救い、結果的にグレイス自身を少しだけ救った。
車をバットでボコボコにするシーンは、胸がスカッとした。もっとやれー!感情を表すのは今の君たちには必要だ!と思った。
グレイスの恋人のメイソンがとてもナイスガイだった。お漏らしの話、変な帽子でクッキング、下手な似顔絵。かわいいひとです。
グレイスが父の虐待によるつらい過去を包み隠さずメイソンに話せたのかは作中ではわからなかったけれど、多分まだ話せてないけれど、いつか話せる日がきたらいいなと祈っています。きっとメイソンなら、時間はかかっても受け止めてくれるよ。
ジェイデンが父からの虐待をカウンセラーたちに告白でき、グレイスが子供を産む決意ができただけでも、十分前進したと思うし、希望を感じていました。これからも大変だけどがんばってね、がんばろうねと思いました。
その上で、いつもの職員たちの井戸端会議で出た、施設を出た後のマーカスの話です。この話があまりに幸せな話で、嬉しくなりました。なんて希望に満ちた微笑ましい話なんでしょうか。涙腺崩壊しました。
あぁ、どんなに辛くても、幸せになれる道はあるんだな、諦めたらダメだなと、勝手に励まされました。
上半身裸で逃げ出す子にネイトが人形をあげたのもよかったです。ネイト成長した!
重いテーマを爽やかに語る。傷ついた心を癒すもの。
【賛否両論チェック】
賛:自身も傷ついた過去を背負いながらも、少年少女達の人生と真正面から向き合い続ける主人公に感動。一緒に悩みながら成長していく様子が、重いテーマの中でも微笑ましく感じられる。
否:自傷行為や児童虐待といった、家庭内の凄惨な現実が赤裸々に語られるので、軽い気持ちでは観にくい作品。特に何かが劇的に変わるストーリーでもないので、消化不良感も否めない。
自身も辛い過去があるからこそ、傷ついている子供達の痛みが分かる。そんな主人公の寄り添う姿に、感動する方も多いはず。決して綺麗事だけではない、残酷な虐待や非行の現実をまざまざと見せつけられる作風なので、簡単に観られる映画ではありませんが、どこか心温まる作品に仕上がっています。
傷ついている時に優しい気持ちになれる、そんな1本です。
本当に観て良かった。
予告編の映像だけをみてずっと気にしていた作品が劇場公開されたので鑑賞。
ブリー・ラーソンはスコットピルグリムの印象が強かったけれど、強さと弱さを兼ね備えた難しい役をうまく演じていました。
インディペンデントらしく映像的には静かな作品ですが、物語の行方や登場人物の動きに目が離せません。
パンフレットも買いましたが、監督のクレットンさん自身にこういった施設での経験があるということでリアリティがあります。
いい映画です
泣きました。
人はそれぞれ苦しみを抱えて生きてる。
抱えつつも何とかやり過ごす人、
どうにもやり過ごせない人。
私はやり過ごせない方の人です。
だから、感情移入して、すぐに泣いてしまった。
全般的に優しさが感じられる映画です。
終わりも、いい。
問題を抱えた子供たちを預かるという大変なお仕事
問題を抱えた子供たちを預かるという大変なお仕事。
そんなグレイス自身も悩みを抱えていて・・・
でも彼女にはとぉ~っても心の広いメイソンという恋人が☆
彼の存在は大きいですよね!
子供を産もうと思ったキッカケは、ジェイデンの「いいママになれる☆」
これはうれしい一言ですよね~
確かに彼女ならいいママになれると思います☆
ステキな映画でした(^v^)
生きる。
予告編である程度予測できた展開ではあるのだけれど、これは素晴らしい!
トラウマを抱えた人間の葛藤。支える側の人間が、逆に支えられるのもまた真なり。
やるせないこと、無力感。
側にいる、離してはいけない人を突き放してしまったり。
こんなに辛いのに、なぜ人は生きていかなきゃいけないの?と思ったことが、皆一度はあるんじゃないかな。その疑問への一つの回答が提示されているように思います。
いや、ジェニファー・ローレンスがこの監督を推すのも納得。
希望
まだまだ人生はこれからという若い子たちが心に負う傷、それに寄り添う若きケアテイカーたちのプロフェッショナルとしての仕事ぶり、子どもも大人もギリギリのところで、それでも生きる姿の、ヒリヒリするような痛さと美しさに、力を分けてもらった。エンドロールになっても涙とまらず。
この題材をへんにセンセーショナルにとりあげるのでなく、淡々と描き、希望も見せてくれた監督に拍手。
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