劇場公開日 2017年2月3日

「原作未読には向かないのか」虐殺器官 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作未読には向かないのか

2025年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

難しい

原作未読。
三部作最後の「屍者の帝国」文庫を手に入れたため、予習として見る。

これは恐らく原作の細かい所を端折っているのでは?
と思えるエンタメ比重だった。

コチラは文字ではなく映像作品のため、言葉で説明せずとも細やかな設定やディティールは表現できるというもので、おそらくされているのかもしれないが、その雰囲気、情報量の多さは感じるものの掴み切れず、SF特有の醍醐味半減で歯がゆかった。

資本主義が世を席巻し、割を食っていた原理主義と対立していた当時を思い出す。
今も変わらないだろうが、当時は新たな世界線を目の当たりとしたことが印象深い。
世界の住み分けと、そのための内戦虐殺と、仕向けるための言語操作というハットトリックなサスペンスと見たが、これは原作を読まなければ本筋を見極めたとは断定できそうにないなと思う。

戦闘シーンの主観視点が臨場感があり、浸れた。
ただ作画に統一感がなかったように感じ、内容の重厚さを維持しきれていないところがもったいなくも感じた。

N.river