「アンドロイドをあくまでも人間の道具として留めておくために、安全装置...」オートマタ supersilentさんの映画レビュー(感想・評価)
アンドロイドをあくまでも人間の道具として留めておくために、安全装置...
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アンドロイドをあくまでも人間の道具として留めておくために、安全装置としてのプロトコルに「生物を襲わないこと」と、「自己修復できないこと」をプログラムする。そうして出来上がったアンドロイドに支えられた未来の社会。でもじつは社会を支えているアンドロイドのプロトタイプ自体が人間の理解を超えるところまで発展してしまったAIの手による製品だった。
ディストピアの描き方やアンドロイドのデザインが秀逸で、道具としての「ロボット」が人間の「敵」になる怖さをうまく表現していたと思う。クリオにだけ人間的な感情を抱きやすいように女性のフェイスマスクがつけられている設定もうまい。クリオ以外のアンドロイドには恐怖すら感じさせるデザインとなっていて、それでいてミニマルなインダストリアルデザインでリアリスティックな説得力をもっていた。
人間を越えたAIが峡谷を越えた「向こうの世界」に行くという設定、クリオがフェイスマスクを外す意味、最終形態としてのゴキブリロボなどSFのひとつのシミュレーションとして興味深く楽しめた。
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