「アスペルガー症候群と同性愛」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
アスペルガー症候群と同性愛
コンピュータの基礎を作ったともされるアラン・チューリングの半生。調べてみると、少年期の子役がそっくりなので驚きました。人付き合いの面ではダメだったが、エニグマ解読機にかける情熱は素晴らしいものでした。ドイツ語は知らないけどパズルは得意。ブリッチリーに呼ばれたときから自信満々だったのも興味深い。
冒頭では泥棒が入ったとして刑事が訪れる中、青酸カリをこぼしたなどと言ってましたが、これも史実(異論もある)に沿っていたのですね。研究室の中で毎日エニグマの設定を変えてくるドイツ軍。1日18時間のうちに解読しなければ意味をなさない緊迫した毎日。その間にも兵士がドイツ軍にどんどん殺されていく事実にも無関心ではいられない。
巨大な機械。ローターがどうのこうのとか、専門的なことはさっぱりわかりませんが、人間の手作業で換算すると2千年かかるという解読作業。それを短時間で行わなければならないという命題が与えられたのだ。
「クリストファー」と名づけられたマシン。彼のイジメに遭ってた小学校時代、暗号論を教えてくれた唯一無二の親友の名前をつけたのだ。同性愛者は当時のイギリスでは犯罪。不条理な世界で生きていくことも辛いが、当面は戦争に勝つという信条で開発に没頭していた。ようやく固定文を排除することで完成し、研究所内でドイツ軍の戦力を分析していたら、同僚ピーターの兄の乗った船が狙われていることに気づく。大義のため多少の犠牲は・・・と、つらい選択をしなければなかった。さらにスパイ疑惑も。
好きなエピソードはデニストン中佐をすっ飛ばしてチャーチルに直訴したところかな。それと、少年クリストファーが死んだとき、「友達じゃない」と言っておきながら涙をこぼすアランの姿。