「想いはシンプルなのに。」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
想いはシンプルなのに。
政府によってその存在を50年間以上も隠されていた天才数学者、
アラン・チューリングの人生を描くドラマ。
人間が手計算を行ったらその解読に2000万年の時間を要すると言われるエニグマの暗号を
コンピューターの先駆となるマシンの発明により読み解いたチューリング。
しかし、解読している事を隠す為、一部を救い、他を見殺しにするという選択を取っていた。
この行いに正義を感じる事も、同意をする事も到底出来る事ではないが、
彼が見ていたのは目先ではなく、もっと遥か遠くだったのだなと思わされる。
孤独で、絶望的な選択を迫られる人生。
しかも当時は同性愛に対する理解など無かったから、相当に辛い日々を送ったのだろう。最後の決断に痛み入る。
カンバーバッチ氏の高い演技力が終始光る作品だった。深く重く、そして悲しい。
色々難しい言葉は出てくるが、彼の望みはいたってシンプルで、「大好きな友達に傍にいて欲しかった」。
これが分かった時、涙が止まらなくなりました。
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