「不世出の天才の孤独」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 REXさんの映画レビュー(感想・評価)
不世出の天才の孤独
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打倒エニグマを掲げる天才数学者アラン・チューリングの活躍を描く話でもあるが、その実は、LGBTである彼の苦悩と孤独にフォーカスした映画。
若かりし頃死んでしまった恋しい人の名を、暗号解読機に投影した積年の想い。
カンバーバッチがオスカーにノミネートされた理由が、納得できる演技。
人を見下し協調性に欠くアランだが、女性を蔑視せず才能で評価するなど、常識にとらわれない考え方をする。そんな彼と心を通わす同僚の女性、ジョーン。
両親に結婚退職を勧められるジョーンを手放したくないがため、アランは偽装結婚をする。ジョーンはアランがゲイであることに薄々気がついていながらも結婚を承諾したし、同僚ジョンもそれを察知しつつ彼を陰ながら見守るなど、理解者はなきにしもあらず、彼らを守るためにアランはそれらを手放さざるを得なかった。
同姓愛であるだけで逮捕されてしまう第二次世界大戦後の社会。 イギリスの負の側面、知られざる歴史を見た気がする。
密告を恐れ、嘘の刃を自分に向けながら心の血を流してきた不世出の天才の姿に涙した。
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