劇場公開日 2015年1月23日

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ビッグ・アイズのレビュー・感想・評価

全88件中、81~88件目を表示

3.5一人の人間が呑み込まれ支配される過程が描かれる作品。

2015年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

良かった。

60年代、実際に起きたゴーストペインター事件を基に。
芸術家の妻が、詐欺師の夫に呑み込まれ支配される過程を丁寧に描いています。

入口は「便宜上」という軽い感じで。
その後は回数と期間をかけて既成事実に。
表の評価を確立すると同時に、ゴースト側を社会から隔離し裏に追いやってしまう。
関係性が崩れそうになると、共犯関係を強調し社会の批判/弾圧をチラつかせ必要以上に恐怖を煽る。
一人の人間が呑み込まれ支配される過程が実感出来ました。

特筆すべきはウォルター・キーンを演じるクリストフ・ヴァルツ。
彼のニヤケ顔、スイッチが入った際の話術/身振り手振り。
弱者に見せる本当の顔。
根っからの詐欺師を体現しており、話全体に納得感、そしてコメディ要素を付加。
醸し出す小者感も含めて思わず笑う場面が多々ありました。

特に終盤、裁判所で見せる一連の茶番。
権力者、その場の実権を握る人物への媚びた顔。
観衆を呑み込み自身側に取り込む話術。
…からの窮地に陥った際の最終手段。
上映時間106分溜まりに溜まった気持ちが一気に解放される素晴らしい瞬間でした。

一人の人間が呑み込まれ支配される過程が描かれる本作。

作中の芸術品の扱いも感慨深く。
通して描かれるのは芸術の不確かさ。
誰もが確かなモノを持たない中で跋扈する権威主義と物語性。
専門家が評価したから、又は感動的な逸話があるから。
作品自体ではなく、作品に付随する評価や物語に惹かれ手に取る姿は印象的でした。

自ずと昨年の佐村河内事件を連想させる題材ですが。
鑑賞後「ゴースト側も詐欺の片棒を担いでいたんでしょ」とは簡単に言え難くなる。
見え難い側面を映し出した作品だと思います。

オススメです。

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Opportunity Cost

3.0まあまあかな

2015年1月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

主人公の女性が何故自分の意思をあれだけ我慢したのか?
よくわからない。
ラストで夫から裁判で勝利するのだが
あまり感動もない。
何故
もっと
脚本を練らないんだろ?
という作品。

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西国

4.0ティム・バートンの着眼

2015年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

幸せ

画像が終わりかけていたとき、僕は腑に落ちない感じが残った。
エイミー・アダムスとフルストフ・ワルツという当代きっての役者が挑んだ映画にしてはなにか割り切れない思いがあったのだ。
それは「ビッグ・アイズ」という大きな目をしたキャラクターがなぜ生まれたのか、という視点に、つまり、アートとしてどのようなことから、誕生したのかという点にほとんど触れていないことによっていると思う。そう、現象面だけを表しているような感じだったのだ。
でも、最後のタイトルバックが出ているときの音楽に目を見開かれた。いま、注目されている女性シンガーソングライター、ラナデルレイの歌が流れたときのことである。後で知るのだが「ビッグ・アイズ」と「アイ・フライ」という2曲の歌。
彼女の歌はアメリカの60年代、70年代の音と歌詞を現代風にアレンジしている。ちょっと聴いたら、耳に残る(60年、70年代の音楽を知らなくても)アメリカの全盛時のような、でもなにか満足できない時代を捉えている。それが現代の若者たちの耳にも共感を呼んでいるという。かくいう僕もその虚構の世界に片足はまっているのだが。
ティム・バートンは言っている「アートとはインパクトである」と。
ここからはかなり強引な僕の解釈だが、以下のような流れだったのではないか?
①ラナデルレイの歌を聴いた(鮮烈な印象を残す)
②この歌を生かした題材を探す(ビッグ・アイズ事件を知る)
③そのストーリーを知るそして作る。
ティム・バートンの作風はシュールというか、現実離れしたものが多いのが、この作品はそんなイメージはない。
アメリカにこんなことがあったのだという出来事をある意味淡々と描いたといえるだろう。ランデルレイの音楽に乗せることが大きな意味があったのだと思う。

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xtc4241

3.0普通に

2015年1月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

面白かった。
クリントイーストウッドのジャージーボーイズの時にも思ったけど、「埋もれてたノンフィクション」ってジャンル、けっこう好み。
映画に出てくる絵画、眼にしたことあるけど、その舞台裏にこんなストーリーが隠されていたとは。まさに「事実は小説より奇なり」
しかし、ティム・バートンって、普通の映画も撮れるのね。しかも普通に上手いし。

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キチ

4.5絵とは何か

2015年1月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単なる抑圧された女性の開放を謳った話というだけではなく、多くの気づきを促している話で、面白かった。

夫、キーンは名誉欲と金銭欲に支配された邪悪な人間というだけでなく、憎めないところがある。彼は彼のようにしか生きられないのだろうな、という憐憫もあるけど、結局彼は決して自分がなれないであろう、芸術家というものに強くあこがれていた。

妻、マーガレットは純粋で真面目な芸術家というだけでなく、神秘思想や新興宗教にはまるという愚かな面も見せる。

夫と妻はそれぞれ異なる人間の弱さを持っていて、ある時期においてはお互いの強みを補完し合うよい関係だったともいえる。ほんの少し夫が妻を思いやれば、よい夫婦だったんだろう。

単なる対立ではなく、共依存的な関係が複雑に混ざる、このような対立は、現実的でリアリティがある。

絵の価値とは何か、ということについても考えさせる。妻だけでも、夫だけでも、ビッグアイズは世に出なかった。

絵の価値は、それそのものによって決まるのではない。バブルの頃の土地のような正体のないもの。だから、話題作りや、著名人の評価や、絵の背景にある物語が必要となる。それを夫はよく理解していた。

また、大衆が求めたのは、絵そのものではなく、流行りの絵を所有するという満足感だけだ、というのも面白い。

結局、絵というのはそれが生み出された文脈を切り離して評価することなど不可能ってことなんだけど、最近の日本で起きた作曲ゴーストライターの件ともつながるなあ、と思った。

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SP_Hitoshi

3.0埋もれていた真実。人間の愚かさと、それを見つめる純粋な瞳。

2015年1月24日
PCから投稿

悲しい

知的

難しい

【賛否両論チェック】
賛:嘘や見栄といった人間の醜さが垣間見られ、改めて考えさせられる。最初は立場的に弱かった主人公が、娘を守るために自立していく様子にも勇気をもらえる。
否:実話とはいえ、終わり方には賛否両論ありそう。宗教的に意見が分かれる展開もあり。

 女性の立場がまだまだ弱い時代にあって、夫に依存するしかなかったマーガレットの複雑な想いと、やがて自分をしっかりと持って自立していく様子が、とてもたくましく描かれています。そして、そんな嘘や見栄で塗り固められた大人達の世界を、間近で黙って見てきた娘のジェーンの姿もまた、人間の哀しさを訴えかけるようで、心に刺さります。後半のウォルターの変貌ぶりは目に余るものがありますが、これもまた人間の醜さを垣間見られるような気もします。
 “本当の幸せとは・・・?”という問いかけを、絵画という具体的な表現方法を通して投げかける、そんな作品です。

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映画コーディネーター・門倉カド

4.0とことんこすい詐欺男。

2015年1月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

60年代のサンフランシスコの街並みやファッションがとにかくまぶしい。男女格差のある時代をうまく説明しつつ、エイミーアダムスの悩める役が、がんばれ〜、と応援したくなります。
それに反してこの旦那のこすいこと。ばっさりラストは切り捨てて気分爽快、快適です。
去年騒がせたゴーストライターじゃないけどいろいろあるんだな〜、と痛感。

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peanuts

3.0107分があっという間

2015年1月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

実話に基づく話。
ティム・バートン監督の新しい面を見たようなフツー感あり。
上手い監督は何を撮っても魅せるものですね。

エイミー・アダムスの徐々に追い詰められていく表情などとても良かったですね。

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J.kaba
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