「毒母」不機嫌なママにメルシィ! ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
毒母
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昨今「毒母」なんて言葉が流行ってましたが、主人公ギョームは母親の「女の子であって欲しい」という願望から、自分が何者なのか分からないまま大人になります。男なのか女なのかそれともゲイなのか。
彼は悩む。彼はゲイパーティに行く。男性と寝ようとする。だけど、、違う。
そして彼は初めて女性に恋をしました。
この時にようやく、「女性性」という母親の呪縛から解き放たれることになります。
ゲイを含む男性監督の作品は、母親への思慕が強烈に強かったり、母親がファンタジー化していたりすることが多いと思うのですが、ギョームは異色ですね。客観的に母親と自分の関係性を見つめ、冷静に自分のアイデンティティーを確立しました。そして、芸術家らしく作品を通して母親から巣立ちました。しかも、憎しみではなく愛という形で。
母と子の依存関係に向き合ったギョームには、ママはもう不機嫌には見えません。ラストの、本物のママはとても美しかったです。
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