「相手の最も嫌がることをやるのが戦争・紛争」オマールの壁 フレンチカンカンさんの映画レビュー(感想・評価)
相手の最も嫌がることをやるのが戦争・紛争
カナダの監督、ドゥニ・ヴィルヌーヴの『灼熱の魂』という中東レバノンでの抵抗と復讐の優れた作品に底通した、同じ中東の紛争地パレスチナの抵抗運動をベースに、若い命の純愛が描かれ心を揺さぶられる作品だ。
思いを馳せる女性に会う為に、高さ8Mというコンクリートの壁をロープをたぐって登る、若さと体力がいる物理的困難の上に、見つかれば機銃掃射にみまわれ、向こうへ行っても抵抗運動の派閥があって気が遠くなる障害があるからこそ募る思いは燃え上がる。
もう一つの壁は、
戦争や紛争は相手の最も嫌がることを、これでもかと言わんばかりに突いてくる人間の醜悪な面が出て来る。親子を引き裂き、若い男女の仲をめちゃくちゃにすることなど朝飯前なのだ。
しかし、恋は誰にも止められない。「ラ・ラ・ランド」の様な“永遠の恋がなんと!”というのもあるが、ロミオさまの様に妨害がひどいからこそ燃える炎もある。
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