勝手にしやがれのレビュー・感想・評価
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勝手すぎてイライラするし振り回されっぱなしの女にもイライラする。 ...
勝手すぎてイライラするし振り回されっぱなしの女にもイライラする。
ヒモで女好きで自己中な犯罪者のどこに惚れたのかをもっと納得させてほしい
アメリカというもの
ゴダールによる記念碑的作品。第二次大戦後の、アメリカ文化に恋するフランス(人)の姿がここには見られる。つまり、主人公はまことに「やっかいなことに」アメリカ人女性に恋をしてしまう。最後に裏切られることが予見できるにもかかわらず、彼はその恋から自由になれないのだ。
恋の相手が果たして悪い女なのか、その問いそのものがいかに頼りない価値観の上に立てられているのかは、空港でのインタビューのシーンで語られている。誰のせいにもすることが出来ない自滅への道を、映画は一直線に進む。
フランス映画は、このフィルムも含めたヌーベルヴァーグにより、自らをアメリカ映画と相対化することに成功するのだが、結局は小さなハリウッドとして、他の国々と同様にアメリカの市場戦略にのみ込まれていくのだ。
この作品は、ヌーベルバーグの嚆矢とも言えるとともに、その後のフランス映画の末路までも予見するものとなったのではなかろうか。
最高のパリを味わえるNo.1映画
とにかくパリが美しい!!シャンゼリゼ通り、エッフェル塔、ピラミッド広場…こんなに美しい街だったと気づかされるのはここ最近ではミッドナイト・イン・パリスくらいでしょうか。
しかも、なんといってもジーン・セバーグ!!ショートカットの笑顔が美しすぎるし、ニューヨークトリビューンのジャカードニット?姿もボーダートップス×プリーツスカート姿もめちゃくちゃ可愛すぎる!!
そしてお相手のクズ男はジャン・ポール・ベルモンド。色男を絵に描いたようなサル顔のこの男のスーツを崩した姿や、様々な高級車を乗り回す姿は絵になりすぎる!!本当にクズなんですけどね。
ゴットファーザーとかみたいな骨太のギャング映画ではなく、さらば青春の光とか、ロックストックとかに通じるようなチンピラ感も嫌いじゃないっていうか、むしろ好きです。
ジャンリュックゴダールのこの映画の作りも、テンポがよい割りに、セバーグもベルモンドもそしてパリも、描写の美しさも満足です。
話の内容は…金と女と「何とかなる」明日を過ごすガキと、男への純真と「何とかしたい明日」を夢見る少女の交わらなすぎる恋愛事情を中心に、チンピラの事件をスパイスに進行しますが、やっぱりここはフランス的哲学。さっぱりわからないことが多すぎる笑。まぁ、もう折り込み済みですけどね。
セバーグが新聞を売るスッキリした洗練された空気感もベルモンドが最後を迎える無情な空気感も、とにかく映画の空気って本当に素晴らしいなと感じた名作です。
モノクロ、なのにカラフルでポップな印象が残る
街並みや自動車や通行人やファッション、とてつもなくおしゃれだ。ショートカットかわいい。声もかわいい。シマのワンピース、それから最後のほうでその上に羽織るカーディガン、全部かわいい。
で、ストーリーはどういう感じなんでしょう。あんまりよくわからん。
ときどき場面が一瞬だけ、飛ぶ、あれはなんなのでしょう。技術的なことでああなっているのか、センスがそうさせているのか、いずれにしろ、良い。通行人はみんなリアルな人たちでしょうか、めっちゃ視線くれている。
脈絡がないような男女の会話が、さらっとしていて実に軽妙だ。アメリカ人、はたまた日本人にはできないあの感じ。
追記
ああ、あれジャンプカットっていうのか。先人のレビュー見て勉強しました。やっぱり通行人もその辺の人か。これがデビュー作というのも知らなかった。いきなりこれはすごいな。
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