劇場公開日 2014年3月8日

「韓国芸能界の闇」おもちゃ 虐げられる女たち M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0韓国芸能界の闇

2022年3月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

タイトル"おもちゃ"のように、人としての尊厳も人権も無視されて、虐げられ、乱用され、最後には壊れてしまった女優。
夢を追いかけて飛び込む芸能界は、表向きは煌びやかで華やかだけれど、その裏では私たちが想像もできないような恐ろしい事があるのだろうなと思う。

本作は,実際にあった話をもとに作成されていて、内容が内容だけになかなかスポンサーなどもつかず、クラウドファンディングを使って資金集めをしたらしい。

主演のネットニュースの記者役にマ・ドンソクさん。
彼の作品は少しずつ鑑賞しているが、こんな社会派の映画にも参加しているなんて好感がもてた。

韓国では若くして自殺する芸能人が少なく無い。
小さなマーケットの中で、芸能界という世界は競争がものすごく厳しいんだろうなと思う。

どこの世界にも権力やお金を振り翳して、弱者をいたぶるクソみたいな輩がいるとは思うが、この映画を見て、こんなことあり得ないだろうと思えない事が逆に悲しく思えた。

ただ体を弄ばれるだけでなく、心を傷つけられ、どうしようもなくなっていく女優が描かれていて、本当に見ているのが辛くなった。
本作と、実際にあった事件が同じ結末であったかどうかは知らないが、罪を犯した奴らがそのまま平々凡々と、また、他の被害者を出しているんじゃないかと思うと本当に早く捕まえて社会的地位を奪って、罰せられて欲しいと願う。

韓国芸能界の闇のほんの一部を覗いてしまったが、氷山の一角にすぎない事を忘れてはいけない。

【2022.3.16追記】
タイムリーにも、日本の芸能界で本作のように、映画監督(それも、性被害映画の)が何人もの女優を権力振り翳して性被害を負わしたとの告発がありました。ほんま人間のクズですね。しっかりと罰して頂いて、世間に出てこれないようにして頂きたい。

M hobby