「死の真相は何処?」ソロモンの偽証 後篇・裁判 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
死の真相は何処?
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前篇の勢いはどこへ行ってしまったのか。
後篇は学校内裁判が始まり、その一部始終が描かれることで徐々に事件の核心が見えてくる、宮部みゆきサスペンスの真骨頂とも言える展開のはず。
しかし、前篇で理由付けを省略してしまったツケが、後編にジャブのように効いてきて、全く説得力のない展開になってしまった!
終幕も、あたかも大団円のようだが、一体何が解決したのか、解らない。
確かに、校長や担任教師の汚名は晴れたかもしれない。
イジメっ子少年もイジメを認めた。
しかし、イジメっ子少年は心を入れ替えたのだろうか?
人の所為を決め込んでいた教師達は真摯に反省したのだろうか?
何より肝心なのはイジメられ少女だ。
彼女は深く反省したのだろう。
だが、虚偽告発の罪を死んだ友人に押しつけたまま、ましてや彼女の事故の真相を明かさぬまま、裁判を終わらせておいて、校庭で遺影にすがりついて泣いたらみんな許されてしまうのか?
自殺か殺人か、イジメっ子少年が犯人か否か、の疑惑の真相は明かされた。
しかし、主人公少女は裁判の目的を「柏木君と松子ちゃんはなぜ死ななければならなかったのか。それを裁判で明らかにする」と、宣言したのに。
中学生たちの真直な演技は好感が持てる。
その演技を真正面から受け止めるようなクローズアップの演出が効果的だ。
脇を固める大人たちが総じて良い演技をしている。
とか、前篇に引き続いて良いトコロは良いだけに、残念な気がしてならない。
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