「映画より連続TVドラマにした方が良かったかも?」ソロモンの偽証 後篇・裁判 およよさんの映画レビュー(感想・評価)
映画より連続TVドラマにした方が良かったかも?
関係者並びに鑑賞者の方々に非常に失礼な見出しになったが、結局、前編・後編の映画にした意味が極めて弱かったと言わざるを得ない。前編を期待した方々はさぞがっかりしたころだろう。たとえ現実離れした中学生の学芸会もどきでも面白ければ何も文句は言わない。
連続TVドラマにした方が良かったというのは、個々の主要人物のクライマックスをもっていく場面が多く、ラストがどうのこうのより、それらを区切ることによって、次回に期待を膨らませる流れになったと推量できるからである。監督の力量が竜頭蛇尾の映画にしてしまったことへの不信は拭えない。
そもそも宮部みゆきの原作ミステリーのほとんどは、サスペンスではなく、大胆な構成で人間群像の織り成す「謎のプロセス」に真骨頂がある。宣伝文句にある「衝撃の結末」などさほど用意されていないのは分かっていた。
したがって私は前編でも同じく低評価をしたので期待はしていなかった。わざわざ観たのは、主演の「藤野涼子」が際立って凛としていたからだ。敢えて肯定的評価をすれば、それだけでも意味があると言えば言えるかも知れない。しかし、それだけである。
成島出監督に当分は期待できないが、藤野涼子(主人公と芸名を同じにしたセンスに疑いがあるが)だけは今後も注目しておきたい、という意味で、本作は「駄作」ではなく「凡作」としたい。
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