「結局、普通の邦画」ソロモンの偽証 後篇・裁判 Hiroki Abeさんの映画レビュー(感想・評価)
結局、普通の邦画
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全くもって惜しい。鑑賞しながらこうした方がなとか、もう少しこうだったらとか反省しちゃう、そんな映画。脚本を語り部と聞き手を置くことで説明をスムーズにする構成は見事だったし、子供たちの瑞々しい芝居が成長していく様は物語と相まってぐっと胸に迫るものがあった。しかし、ただこれだけなんだよね。子供たちの成長物語が間違いなく基幹なはずなのに、道徳教科書のような紋切り型のセリフ、解釈は中学生はもちろん、アラフォーの私でさえ薄ら寒いものを感じざるを得ない。徹底的にセリフを現代語に改稿するだけで随分と違う印象になったんじゃないかな。そして、何と言ってもドラマ作りが下手過ぎる。リアリテイとドラマチックのバランスが悪すぎる。編集や脚本、芝居で煽ってこないからダラダラと物語が続いている印象を受けるし、見てる側も飽きてくる。結局、前後編を見てこれなら二部作にしないでも位の印象になってしまった。
最後にラスト、藤野と神原の裁判最終日のやり取りで神原の回想開けで藤野の背景が回想前と繋がってなかったのはワザと?もしそうじゃなかったら凡そプロの仕事と思えないね。頼む、ワザとであってくれ。
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