劇場公開日 2015年4月11日

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「青く痛い」ソロモンの偽証 後篇・裁判 kame-pukupukuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5青く痛い

2023年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 自宅で動画配信サービスを利用して視聴しました。数年前に1度動画配信サービスで見ましたが、今回が2度目の視聴です。原作は未読です。

 前篇で決まった裁判が行われ、様々な人間が裁判の場で本音を話していたり、事実が判明していきます。
 津崎校長や森内先生の言葉は少なくとも本音であったと思います。年を取れば取るほど本音を言うことが難しくなりますが、生徒が行う裁判だったからこそ話せたのかもしれません。
 そんな中で告発状を送った三宅の法廷での態度には、少なからず不快感はありました。ですが、このように生きてきた彼女に事実を話しさせることは無理だろうな、とも思いました。正直この映画の中で、話をしなかった三宅に対して法廷で藤野が涙を流したシーンが最も心揺さぶられました。あの瞬間の梯子を外されたような感情はとても痛々しく伝わってきました。

 神原がわざわざ裁判を開催させた理由も、大人からしてみれば独善的にも見えます。また、柏木の他者に対しての言動も、どう考えてもわがままでしかないのですが、思春期にはそのような思考になるやつもいるよな、とは思いました。柏木の神原に対する態度もそうですが、あれだけ完全にかまってちゃんな行動すりゃ、そりゃ友達いなくなるぜ、というのが自分自身の本音です笑。聞いていた柏木の両親はどんな気持ちになったのでしょうか。

 冷静に考えればわかることを見失ったり、完全に自分の中の理論で武装してしまう奴っているんだよな、と妙に共感してしまいました。そのような人と対峙したときの不全感やイライラを、見ている側に感じさせるこの映画は良くできているな、と感じました。
 中学生らしい青い感情を発信させ、痛さを感じさせるこの映画がかなり好きです。

kame-pukupuku