劇場公開日 2015年4月11日

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「それぞれの属性と本音っぽいモノ。罪を作る心と向き合う映画。」ソロモンの偽証 後篇・裁判 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0それぞれの属性と本音っぽいモノ。罪を作る心と向き合う映画。

2022年6月8日
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鑑賞方法:VOD

怖い

単純

興奮

内容は、前作の後編。中学生裁判の結果と未来。好きな言葉は『あんたがここまでバカだとは思わなかった』もう一つの愛の形としての自分勝手な言い訳が、この物語の内容に通じるモノで皆馬鹿の度合いが違うだけだなぁと感じた。自分の中学生時代とピッタリ合致する社会やその時の自分達内面や外面を照らし合わせる様で非常に切実に感じられた。自分が中学生の時はクラブ活動ばかりしてた。あの時代、神戸児童連続殺傷事件も印象的です。世間では、ノストラダムスの大予言が流行してたし、有り余るチカラは抑えが効かず暴力に及んだ事もありました。あの時以来人を殴ったりした事ないなぁ。人の痛みと自分の痛みが過敏に感じられた時代に、同じ様な些細な悩みはあったなぁ。もし自分ならと考えると教師や大人は、大変怖かったし友達と自分の立ち位置され分からなかったなぁ。好きな場面は、染み抜き作業『この物語の具体化した形が良かった。』と最後の横並びで歩くGメンみたいな場面です。映像的にカッコイイ。この思春期と言われる時期は、どうでも良い事で悩む時期です。歳をとると、どうしようもない事で悩み結果悩みの質が変わっただけで悩みは無くならないのが人間だなぁと感じました。真実や事実を自分なりに理解したい気持ちは人として大きく成長するメタファーになります。本音が何処にあるか?どの本音を自分は信じるか?結果信じたい物しか信じる事が出来ない、それぞれの立場からの行動が上手に表され面白かったです。物語の主体となる柏木君も絶望し左手を差し出して亡くなってしまったのは誰かに手を握って欲しかった、、、誰よりも死にたく無かったのかもしれません。樹里と松子。神原と柏木。この対比と僅かな違いが物語のアクセントとして良い構成でした。誰しもが味わった事のある若い時代を思い直す良い味のある映画でした。そして自分の年代とマッチしたので人一倍思い入れが生まれました。その他細かい指摘は有りますが、全編通して観るだけのボリュームと楽しさがありました。

コバヤシマル