「全員悪くて、誰も悪くない」ソロモンの偽証 後篇・裁判 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
全員悪くて、誰も悪くない
原作未読。
前篇には、2部作にする必要あるのかな。という内容を書いた。
と、いいつつワクワクして観た後篇。
この映画を
学園もの。ミステリー・サスペンスもの。法廷裁判もの。子供の成長もの。
として観ると評価は下がるのだろう。
しかし、それらの一長一短のいいとこ取りしたという意味で成功だった。
演技が下手だっていいじゃない、学園ものなんだから。
オチがバレバレだっていいじゃない、ミステリーが主題じゃないんだから。
どんでん返しがなくたっていいじゃない、中学校の裁判なんだから。
自分の子供を一番に思ったっていいじゃない、それが親だよ。
という感じで全体的にやや薄味。
ふと、振り返ってみた。
なんの前触れもなく学校に来なくなった同級生。
「お前は悪くない」でうやむやになった出来事。
PTAと学校の話し合いで一件落着した事件。
今にして思うと、あれって何だったんだろう?だが、
当時は、一生晴れることのないであろうモヤモヤ。
それらを全て明らかにしていった方が幸せだったのだろうか。
それとも「起きたこと」より「これから起こること」に注力すべきなのだろうか。
主人公の藤野涼子は、どうやらこの裁判を通じて
モヤモヤが晴れ、人間的に成長し教師となって帰って来たようだが、
この裁判がトラウマで不幸になってしまった人はいないのだろうか。
「答え」を出すことは、必ずしも「答え」ではない。
それがこの映画を見た「答え」だ。
とか、言ってみた。
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