柘榴坂の仇討のレビュー・感想・評価
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桜田門外の変の刺客の残党狩りみたいな物語で、リストにある者を探し出...
桜田門外の変の刺客の残党狩りみたいな物語で、リストにある者を探し出す金吾(中井貴一)と身を隠して生きる直吉(阿部寛)という話。
ラスト20分くらいに全てが凝縮されてる。
13年間のけじめとして直吉と斬り合う金吾。水戸者の命がけの訴えをおろそかに扱ってはならんとした井伊直弼。その家来であるがゆえ「亡き主君のお下知に従って、そなたを討つ訳にはまいらぬ。」
仇討ち禁止令がではない。
死に場所を失っていた直吉に対して俺も生きるからお前も生きろという。
最後の金吾と広末涼子とのやりとりは泣けるし、
直吉の「3人で湯島天神の縁日でもいきやせんか?おやすみなさい。」もあったかい。
疲れる映画だっただけど、こんなラストが用意されていたとわ。
明治移行期の侍の心情を描いた貴重な映画!!
雪が降ったので観ました。コメディではない本格時代劇は大変珍しく、また明治に移行するという(一癖ある)動乱期を描き、楽しく観る事が出来ましたが、最後は性善説に則ってハートフルにまとまり過ぎて少し寂しいです。街中で助太刀が次々と名乗りを挙げるシーンで泣きました。外国人勢力に立ち向かった旧来のお侍さんは「不平士族」とされ粛清され、度々の八百長戦争を経て、現代日本は日銀株主の外国人に支配されています。政治家や官僚は日々不正蓄財に励み、「原発」という名の核兵器製造工場が爆発して国土が穢れても誰も責任を取らず、首相は国富を流出させ続け、あらゆる会社が若者から搾り尽くす荒んだ国になってしまいました。本作は日本が失ったものを政治色無しにただ丁寧に描いており、心が少し温かくなりました。
あれ? 堂珍嘉邦は…?
ラストシーンで、広末涼子が発する「おや、まぁ
…」という一言が、あまりにも重く、深く、感動的である。この一言に込められた思いを考えて、思わず感涙! 良い映画でした。
ただ、私は堂珍嘉邦が出演していると書いてあったので本作を観たのですが…
あれれ!?
堂珍の出番ってあれだけ?
これじゃ、キャメオ出演じゃん!
クレジットされてるのに!ムキーーーッ!
でも、出演は一瞬だけだったけど、その中で一際目立つ 堂珍の“めい演技”を観る事ができたのは、何よりでした。堂珍サイコー!(笑)
武士の忠義
武士とは…
死ぬことも許されないまま、ひたすらに忠義を貫く者。
死に後れ、たった一人であの日に取り残されたまま、ただ息をしている者。
武士で生きることを辞め、違う道で身を立てながらも、心に炎の灯る者。
武士の終わりを迎えた明治。
孤独な闘いを続けた男たちの心意気が美しい。
恋愛とかではなくて、命を賭して好いた心だったり、命懸けで戦うからこそ通じ合った心だったり。
又、武士を支える女たちの武士道も本当に強く美しいんですよね。
武士道はまさに、日本の歴史の誇るべき心だと思います。
落ち着いた色合いの中で、真っ赤な椿がとても印象的でした。
久石譲さんの音楽も素晴らしい!!!
ポジティブに観賞しました。
二人が巡り会うのは運命。裏を返せばラブストーリーのような映画。
中井貴一は一人、時代に取り残された感じが良かった。
一方で、阿部寛は上手く時代の流れに身を任せた、少し現代的な雰囲気が、ある意味良かった。
武士の心…渋い。
地味にいい映画
歴史などを見ていて、大きく時代が変わる時はいつも思う。これまでの信条やポリシーを変えなければ生きづらくなるのは確かだ。かといって簡単に変えられるものではない。そこでの苦悩と葛藤を中井貴一さんは、うまく演じている。阿部寛さんが少し霞んでしまうくらいだ。そして、「生きる」というのはこういうことではないか……観終わった後、深い共感を覚えた。
「柘榴坂の仇討」を観て・・
この作品を映画館で観た。中井貴一と阿部寛が共演。桜田門外の変で井伊直弼を守りきれなかった彦根藩士の金吾(中井貴一)は仇討ちを命じられる。時代は明治維新となるが遂に仇で元水戸藩浪士の車引きの男(阿部寛)を見付ける。仇討ち禁止令の発布された中で二人の男の闘いのシーンが・・浅田次郎の時代劇の小説が原作。いい映画。
イケてるね!
阿部寛さんが好きで鑑賞、時代背景など全く知らず予習すらせずトビコミ的に鑑賞。
あらためて幅広い演技もこなせるんだな~
と感心、人気がある訳だと思わせてくれました、渋~い時代劇が好きな人なら楽しめる。
演技と展開に不満
桜田門で何が起こったのか。日本幕末の転換点とも言える事件で、これはないだろうというセリフ。中井貴一が苦悩の人生を送るにしては、幸福感一杯のふっくら顔もきになるし、そもそも、阿部さんのセリフはモゴモゴいってて、それだけの覚悟を持った人にも見えない!映画館でうつらうつらしそうになりました。原作を読んだら、やはりこんな軽いものではないし、残念。映画は俳優で決まる。
浅田次郎
明治初期にはこういうこともあるかもなあという企画性は買う。今やっているるろうに剣心、とほぼ時代は重なる。
映画的には面白くない。役者はいいのだが。
しかし地味で久石譲の音楽がよいため、きらいではない。
不器用でもいい、ひたむきに生きろ
主君を守れなかった侍。
仇である刺客の一人の元侍。
時代に取り残された二人の男の生きざまを描いた、浅田次郎の短編小説を映画化した時代劇。
昨年秋の同時期公開の「蜩ノ記」は素晴らしい時代劇だったが、こちらも引けを取らぬ良質の作品!
見応えあり!
とにかくストーリーに引き込まれた。
彦根藩士・志村金吾。
妻を貰い、大老・井伊直弼の近習(=警護)という大役を仰せつかり、人生は約束された…はずだった。
“桜田門外の変”で主君を守れなかった事で暗転、切腹も許されず、生き恥を晒したまま、主君の仇を探し続ける…。
自分の人生の歯車を狂わされたからではなく、敬愛する亡き主君への忠誠心、自分の信念を曲げない侍魂が、時に悲しくも目頭を熱くさせる。
主人公・金吾が話の軸だが、刺客の男も感情移入出来る話になっているのが良い。
元水戸浪士・佐橋十兵衛。
“桜田門外の変”後、直吉と名を変え、素性を隠し続ける孤独な日々。
仲間たちは死に、自分は死に損なった身。
井伊暗殺に悔いは無かったが、その後の日本は井伊が夢見た日本へとなりつつある事を目の当たりにする。
彼もまた過去に囚われ続ける男。
“元刺客”“逃亡者”だからといって決して悪人ではない。
金吾同様、不器用で実直。悪人であったら長屋の近所の幼子が懐くはずがない。
時代は幕末から明治へ。
13年の月日が流れ、“仇討禁止令”が布告されたまさにその日、運命の悪戯の如く、二人は顔を合わせる…!
中井貴一と阿部寛が二人の“ラストサムライ”を名演。
広末涼子も金吾を支える妻をしっとりと好助演。
歌舞伎界の重鎮・中村吉右衛門が見事な佇まいで、井伊直弼の人間的な大きさを感じさせる。
遂に相対した二人の緊迫感。
あの日と同じく雪の中、剣を抜く。
禁じられた仇討の行方は…!?
この結末には、本作は“チャンバラ時代劇”ではなく“ヒューマン時代劇”である事を感じさせた。亡き主君の言葉が決め手となった。
幕末からの明治維新。
誰にも新しい日本が開かれた。
それは、これまでの生き方が覆させられ、失うものも多いという事でもある。
何も失う必要などないのだ。
誇り、多くを語らずとも通じ会う夫婦愛、日本人たる侍魂…。
不器用でもいい、ひたむきに生きろ。
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