奪還者のレビュー・感想・評価
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世界が滅びるとき
※ブクログからの転載です
世界経済が破綻した後のオーストラリアで、盗まれた車を奪還しようとしつこく追い回す男エリック(ガイ・ピアース)と、盗んだやつらに見捨てられたたぶん知的障害を持つ青年(兄弟のうち弟/ロバート・パティンソン)のお話。
エリックは車を取り返すためならバンバン人を殺しまくるが、全体的には静かで眠たくなっちゃう系。淡々とした乾いた映画だ。
いったいあの車に何があるのだろうと思いきやラストでそれが分かって「お、おお……?」ってなる。
それまでの倫理観が崩壊し、人の命が軽くなってしまった世の中なんだな。世界が終わるっていうのは、人類が滅亡するとか地球が爆発するとかでなくて、人命がまったく尊重されなくなったときのことかもしれない。
そういうことが言いたいんかな、って納得するには少し自分で考えないといけないから爽快感みたいなのはあんま感じないし、観る人によっては分からないまま終わってしまいそうである。
それにしても、あの純真な弟君が死ぬのは実に胸痛なのだった。彼は別に何も悪くないし。
ガイ・ピアースがはげかかってた感じあったけどあれはヅラなのか自前なのか……それはおいといて、すごく荒んだ目でさすがの演技力でありました。
ロバート・パティンソンはイケメン俳優な印象だったけど、障害のある青年をわざとらしくなくごく自然に演じててとてもすばらしかった。
まあまあだった
経済破たんした社会で、警察の機能が止まって殺人をとがめる人がいない様子がリアルだった。少年売春をあっせんするおばあさんが殺されそうになっても毅然としていたのが印象的だった。
もっと興奮したかったのに、けっこうだらだらしていて最後の方はウトウトしてしまった。犯人の弟が長々と語る場面など、さっぱり面白くなかった。
車に犬の死骸があったから取り返したかったという結末だったのだが、犯人たちが乗り捨てた車の方がずっと走行性能が高くてよさそうで、こっちでいいじゃんと思った。
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