「シドニーはなぜ?」ハードエイト kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
シドニーはなぜ?
作家性の高いポール・トーマス・アンダーソン監督の長編デビュー作。などと考えてみれば、難解な作品の原点なのだろうと、妙に納得したりする。どことなく『パルプ・フィクション』(’94)の影響も受けているかのような印象だったが、激しく変化するわけでもなく、淡々と物語は進んでいく。
2年後にはジョンがシドニーを父親のように慕うくらいにギャンブルの道を歩んでいるが、彼の友人ジミー(サミュエル・L・ジャクソン)の登場によってバランスが狂ってくる。グウィネス・パルトロウ演ずるクレメンタインもまたその一人であり、結婚へと発展するが、式の直後であっても売春してしまうという揺れが生じてしまう。
サイコロ賭博における4のゾロ目を表す“ハードエイト”。この日本語タイトルによってギャンブルでの堕落の道を歩むのかと思えば、そうでもなく、原題の通りシドニーという初老紳士の謎を描いた作品。どうしてジョンに対して父親のように、ギャンブルの師匠のように接するのか。終盤にはそれが氷解するのですが、ラストの一撃ですかーッとするだけでした。このチンピラめ!といった感じで・・・
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