「直線的でひねりのない映画」小野寺の弟・小野寺の姉 hormone29さんの映画レビュー(感想・評価)
直線的でひねりのない映画
各映画レビューサイトの評判が良かったのと監督の出ている演劇を見て好印象だったので鑑賞。
結論としてはストーリーも予想の範囲を抜けないし全然面白くなかったです(バッサリ)。
自分が一番だめだと思った部分は弟君の恋愛のエピソード。公園のいたるところの匂いを嗅いでる不審者一歩手前の男のことをあんなにかわいらしいきれいな女性が無条件に好きになることなんて現実にはありえんわ!と思いました。まぁその時点では好きではなくだんだん好きになっていったのだとしても,調香のうんちくをペラペラ述べてるオタクな部分を見せたときに惹かれていく描写になるのはおかしい。ふつうは引かれるし,これでは向井理の顔に惚れているだけのようにしか見えない。そうなるとその女の方も決していい女なんかじゃなくひどく打算的な女となり見ているこちらとしてはいやな女にしか見えない。あと絵本作家なら自分の作るストーリーにもっとプライドを持て。
次に問題なのが姉弟の物語。いくら親が早くに死んで育ててもらっていたからと言って自分の恋愛を棒に振るとか馬鹿げてるし元カノの言ってることの方が正論で気持ち悪いシスコン野郎にしか見えない。大体33にもなって漸くさし歯の費用渡すってどうなのよ。そんなべらぼうに高いもんでもないしもっと早くに渡せるだろ。
姉の方も「差し歯にすることも考えたが弟を責めてるようで」といっていてこちら側としては「えっなんで責めることになるん?」と思ったし,責任感じたとしてもそれは当然のことをしたんだから姉が悩む意図が不明。
後は演出の問題。浅野が新品のコートが雨に降られてのところの降られてが告白して振られてのイントネーションになってしまってといて直すべきだなと思った。むしろそれが頼子が振られる伏線なのかとも思ったがそういう風にもならなかったし。もう一つは恩師との対話のシーンと頼子が部屋で泣くシーンのスポットライトが邪魔。いかにも演劇人が作りそうな演出だなぁと思った。売れない役者友達が弟君の固まった思考にメスを入れてくが,それも監督自身を投影させてるんだろーな。あれは頼子が言った方がいいのに。