「より子さんに幸あれ。弟は大丈夫でしょう。」小野寺の弟・小野寺の姉 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
より子さんに幸あれ。弟は大丈夫でしょう。
この映画はオチなしヤマなしでも多分楽しいはずとおもってたのですが、結構オチもヤマもあったと思います(当社比)かなり、よかったです。予想よりずっとよかったです。
私にも弟がおり、小野寺きょうだいの雰囲気にきょうだいあるあるを感じたりしました。
ええ、姉というものは勝手なもので!
ゲームだのでは堂々とズルをして無理やり勝ちます。弟は負けてくれるんですよね。
小ネタが色々面白いです。
ボラギノールが一番面白かったです!次点がブリーフで!
絵本作家の彼女のくだりが若干胡散臭いと思いました。地を這ってクンクンしてる人にわざわざ声をかける人があんな美人とか、ありえへーん!てなもんです。でも、それはすぐに忘れます。
弟はもてないわけではなさそうでしたね、シスコンで常に寝癖があるだけで、調香師ってことは理系男子ですしきっと修士もってるし、恋愛市場ではいい物件です。なんせかせ隠しきれない美貌の向井理ですしね。
おっとりした感じがよく出てて、イケメン感薄めで良かったです。チェックのガウンが可愛かった。あれはきっと姉の趣味w
弟の過去や恋も良かったです。傲慢さに気づくところが良かったと思いました。
ま、弟は見目麗しいし、これからますます男盛りだし、ほっといても恋しますね。
さて、この映画は、より子さんパートが素晴らしかったです。
より子さんだけの時は会釈もせえへんのに、ミッチーがきたらぶりっこしやがるいけすかねぇ若い女の子がでてきますが、この若い子の意地悪にも大人の態度を貫き、店長と奥さんの悪気がないからタチが悪い系のセクハラにも終始大人の態度です。人間が出来てます。
仕事も家のことも大変だったでしょうが、楽しく過ごしてきたんだろうと思われる女性です。言い間違いに笑いの神が降りてる先生が言うように、「どこを(に)出しても恥ずかしくない」人です。
でも男性ウケする容姿には恵まれず、40歳の今、独身彼氏なしの様子です。
そんなより子さんがミッチー扮するアサノさんに片思いをし、私なんてと思う気持ちをを振り切ってがんばってみよう!とするのですが…
※以下思いっきりネタバレ
より子さんが昔好きだった同級生の不愉快な発言に、悔しまぎれに弟を年下の彼氏と偽るより子さん。
親しげな同級生だけど言動は悪気がないようで多分に含まれている、より子さんをバカにしたものばかりです。
だからより子さんは悔しかったんです。
多分子供の頃からそうで、彼だけでなく多くの同級生に同じ扱いをされ、そんな環境の中で自分から変顔をしたり道化に徹して笑いをとることで、傷ついていることを誤魔化していたんです、きっとずっと。
このより子さんの辛さは本当によくわかります。
私がまさに10代の頃にそうだったからです。
何とか面倒くさい同級生夫婦を追い返せると思ったら、恩師にアッサリ弟だってバラされてしまい、これはまぁ先生悪くないんですけど、より子さん、死にたい気持ちだったろうなぁと、切なかったです。
変色した歯のくだり、容姿へのコンプレックスから自信が持てないという話と先生の励まし、そして、多分弟が元カノとダメになった理由を薄々知ってたのではなかろうかと思われます。そんな諸々を抱えた上で踏み出そうとした恋。
でもダメだったんです。ミッチーのおたんこなす!でもミッチーの前では気丈さを貫くより子さん。
呆然と帰宅し、嗚咽するシーン、その嗚咽を聞いてしまう弟。
その後のやりとりが、素晴らしく、泣いてしまいました。本当によかった。
優しい弟、愛おしい姉。お互いにとって、恋人なんかよりずっと得難く大切な人だと思う。その関係はほんとうに貴重だからね。ふつうのきょうだいはそんなええもんちゃうもん。
より子さんには、この失恋でさらに臆病になるかもしれないけど、次にいいなってゆう人に出会ったら、どうか諦めないで欲しいです。
希望は捨てないでいたらいいことあるかもしれません。曲がり角の先には何があるかわからないのですから。
お互い、頑張りましょうね。
より子さんの幸せを祈っています。
架空の人物に斯様に語りかけるのは相当イタいと承知していますが、語りかけずにはおれないのです。すみません。
そんな訳で、より子さんにずぶずぶ感情移入しながら見ました。
他にもチャーミングな点はいっぱいありましたが、流石に長くなったんでやめときます。
最後にムロツヨシが最高だったことは言い添えておきたいと思います!