「アウトじゃなくてカブトです」小野寺の弟・小野寺の姉 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
アウトじゃなくてカブトです
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片桐はいり主演作品を、キネカ大森で観られる贅沢よ。
基本的にはクスクス笑えるコメディながら、根底には常に姉弟愛とそのすれ違いがある。
前歯と恋愛に関してはお互い勿体ない年月を過ごしたなぁ、とは思う。
けど、そういう大事な本音をなかなか口にしないところはリアルでもあった。
良い事あったとかはすぐ察せるのにね。
向井理と片桐はいりは、それぞれの雰囲気を最大限に活かしており、ハマり役。
山本美月は演技上手くはないのだけど、ああいう純真な役だと逆に映える。
ミッチー、怪しい役や色気のある役のイメージが強いが、邪気のない芝居も上手いなぁ。
ムロツヨシは佐藤二朗と共に福田雄一のイメージが付きすぎたけど、今作も抜群の匙加減です。
寿美菜子も違和感なく馴染んでました。
それぞれの恋愛をしっかり描きつつ、それが姉弟の絆を補強する構造は見事。
どちらも半端にせず、でも主題はブラさないバランスは意外と難しいものです。
シンプルながらBGMと無音の使い分けも的確。
個人的には、ラストもう少し先まで描いてくれたらより良かった。
より子なら「歯なんてもうどうでもいい」と笑いながら炊飯器を新調しそう。
メガネ屋の前を一瞬だけ片桐仁(片桐つながり?)が横切ったとこで笑ったのは自分だけか。
しっかり笑えて最後までほっこりする作品でした。
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