劇場公開日 2014年11月15日

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「原作を読んでないので」紙の月 うるぐすさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0原作を読んでないので

2015年7月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

あのラストは原作通りなのか、オリジナルのものなのかは分からない。ただ、あの賛否分かれるあのラスト、僕は好きです。大賛成。

とりあえず宮沢りえ、小林聡美、池松壮亮はもちろんなんだけど大島優子良かったね。どこにでもいそうなんだけど踏み外す半歩手前にいる雰囲気を醸し出すんだけどやっぱり定番の子の演技が絶妙で。こういう役でハマるともう強いんじゃないかなとか思った。

一つだけ文句付けるとしたら、時期の違いをもう少し分かりやすくして欲しかった。
本当にそれだけ。些細な点です。

この映画のお話をするならばラストはあれで良かったのかには触れなきゃね。
あ、映画見てない人はこっからは読まない方が良いかもです。

あのラスト。要するに、主人公の女は逮捕されずに東南アジアの国へと見事逃亡してみせる。そして幼い頃の思い出と偶然再会するも警察に追われているのでまた逃げる。疾走して終わる。
確かに否の意見も分かる。「なんだ、あれだけのことをしておいて制裁せずに終わり?」「おいおい、横領を正当化するのか?」「宮沢りえが可愛いからって甘やかすな!」みたいな。笑
もちろん、この映画を学校で上映会するってなれば僕も反対しますよ。
しかも、最近ドラマでも「悪いことをした主人公は最後しっぺ返しを喰らう」展開は受けている。最近だと昼顔とかウロボロスとか。
でも、この作品はそこでありふれた「道徳的な正解」に終わることはしない。むしろそんな正解を求めてばかりの人に舌を出したかのように。「私は逃げ切る。悔しかったら年下の異性との恋に本気で溺れて道を踏み外してみろバーカ」と言わんばかりにね。そこに、力強さと勇気がある。善悪を超えた何かと一緒に。

うるぐす