「ただのバカ女という感想だけはもってほしくない」紙の月 めぐさんの映画レビュー(感想・評価)
ただのバカ女という感想だけはもってほしくない
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横領犯ではあるけれど、それがメインのテーマではないと感じた。テーマを映し出すために、横領犯になる主人公が必要だったわけで。
吉田監督はやっぱり、多感な10代の愛おしい感情を絶妙に描写してくれる。誰かを愛したい、救いたいという気持ちは間違っているのか?救いたいけれど、それは無理だと諦めて大人になっていくのか?
10代のころに抑圧された心。でもそれが本当の自分。抑圧されたまま「普通の主婦」になるが、自分を愛してくれる年下の男性が現れ、彼を守りたいと感じることで、本当の自分がまた解放される。
ラスト、いきなり窓を割り逃げ出して、彼女は海外にいる。冷静に観ていると「?」なラストシーンだが、必要で最高のラストシーン。自分の愛は間違っていなかったと彼女は確信するのだ。周りから地に墜ちたと思われる彼女は、最後少しだけ救われる。
彼女は普通からはズレていた。やり方も間違えた。でも「バカ女」とは思えない。
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