「馬鹿な女」紙の月 catさんの映画レビュー(感想・評価)
馬鹿な女
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此処ではない何処かに行きたい。
私ではない誰かになりたい。
そんな妄想は十八才くらいで済ませておいて欲しいですね。
それをアラフォー女が実行するくだらなさ。ウブもいいとこですよ。
動機も、不倫相手も、横領した金の使い方も、その結末も、しょぼい。
擁護も出来なきゃ羨ましくもない罰ゲームみたいな話。
映画前半は、宮沢りえさんが、こんな馬鹿をしでかす人には到底見えず、ハテナマークが浮かんでいたのですが、後半は、ちゃんと馬鹿な人に見えてきます。
この馬鹿、止めてもしょうがない、どこまで転がるのか見ておきたい、そんな気持ちにさせてくれます。
転がるのを見たいという嗜虐、あるいは自分も転がっていきたいという破滅願望を充たしてくれる映画だと思います。
こつこつ真面目に生きてきたお局が、宮沢りえに感化され、私の生き方はこれで良かったのかしらと疑問を持つところで映画は終わります。作品の意図は判るのですが、「この馬鹿が」と突き放すドライな終わり方の方が、私の好みです。
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