「愛は身を滅ぼす。人間の弱さを赤裸々に描く社会派作品。」紙の月 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
愛は身を滅ぼす。人間の弱さを赤裸々に描く社会派作品。
【賛否両論チェック】
賛:人間が欲に溺れて身を滅ぼしていく様が、赤裸々に表現されている。誰しもの心に忍び寄りうる闇に、深く考えさせられる。
否:「自業自得」と言ってしまえばそれまでの内容なので、好みは分かれそう。過激なラブシーンもあり。
最初はごくごく平凡な生活を送っていた主人公が、とても些細な過ちが引き金となり、次第に道を踏み外していく様子が見事に表現されています。ある意味で誰しもが起こしてしまいうる事態に、身の毛もよだつ思いがします。そのくらい、横領にしても不倫にしても、主人公が徐々に背徳感をなくしていく描写がリアルで、考えさせられます。反面、言ってみれば「身から出た錆」的な話ではあるので、「いやいや、自分のせいでしょ」と思ってしまうと、あまり楽しめない作品でもあります。その辺は、好みが真っ二つに分かれるところだと思います。
過激なラブシーンもありますが、「お金の怖さ」を改めて認識出来る作品に仕上がっています。
コメントする