「幸福論」紙の月 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
幸福論
多くの嘘や建前で築かれた社会の枠組から堕ちていく姿を美しい宮沢りえが美しく演じる。対比的にその枠組を巧みに折合いをつける大島優子と枠組と付き合い維持することに平穏を求める小林聡美がいずれも好演。美しく描いているからといって、主人公の行動を善意に解釈する余地は与えてはいない。当人の行動原理を俯瞰する上で、こちら側が必要以上に嫌悪感を抱かせないようにしている。最後の宮沢ー小林のやりとりと少女時代の回顧シーンの輻輳からのラストは秀逸。
コメントする