「さすが、愛されてますね、わかりやすく。」紙の月 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
さすが、愛されてますね、わかりやすく。
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映画「紙の月」(吉田大八監督)から。
ストリー的には、宮沢りえさん演じる銀行員が、
ちょっしたことから、預かったお金に手を付けて、
どんどん泥沼にはまっていく展開であり、
目新しいものはない気がした。
よくありがちな事件として、時々新聞紙上で目にする
横領のドキュメンタリー映画のようだった。
そんな中、「気になる一言」に選んだのは、
男性から女性への愛の表現方法である贈り物。
主人公の妻が、夫からのプレゼントである、
高級腕時計をしている様子を、若い女性が冷やかす。
「さすが、愛されてますね、わかりやすく」
このちょっぴり皮肉めいた台詞が、面白い。
高級な贈り物をもらうってことは、愛されている証拠、
あなたは、そう思っているだろうけれど、
意外と愛されていないかもよ、という意味が、
どこかに引っかかっていて、物語もそれを証明していく。
「仮面夫婦」とまでは言わないけれど、
幸せの夫婦を装っている、とでも言いたげな台詞は、
口にした本人が上司と不倫しているからこそ、
インパクトがあったのかもしれない。
「私も愛されてますよ、わかりやすくないけど」
そんな意味が隠されていると思うと可笑しかった。
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