劇場公開日 2014年8月30日

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「忙しい日々に疲れた時、こんな映画が心にくる、かも」リトル・フォレスト 夏・秋 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0忙しい日々に疲れた時、こんな映画が心にくる、かも

2016年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

ストーリーはほぼ有って無いようなものでしたが(夏・秋編の段階では)、時にはこんな映画もいいかなと思えるような、何とも心癒される作品でしたね。
勿論、ただ癒されるだけの映画ではなく、田舎での自給自足生活の厳しさも季節ごとにしっかりと描かれていましたから、十分説得力もある、完成度の高いスローライフ入門編的な作品に仕上がっていたと思いましたよ。

それにしても、舞台となった小森と言う山間の集落(エンドロールを見る限り撮影地は岩手県奥州市のようですね)の自然豊かな風景にまず心癒されましたね。
私も田舎生まれなので、懐かしい思いに駆られながら、四季折々の自然(まだ夏と秋だけですけど)を堪能させてもらいました。
都会の方々にはあまり認識されていないかもですが、東北と言えども、盆地の夏は信じられないぐらい暑いし、梅雨時の湿度もまあとにかく半端じゃないんですよねぇ・・・。

そんな山村で自給自足生活をしているのが橋本愛演じるいち子でしたが、現実こんな美人が一人で田舎生活をしていたら、結構村がザワ付くと思います(笑)
ただ、ここの生まれで、一度都会に出て行ったものの逃げ帰ってきたと言う設定でしたから、それならありかなとは思いましたけど。
お母さんは現在失踪中でしたっけ?ラストでその辺のストーリーが動きそうで終わっちゃいましたから、続きが気になるなぁ・・・。
作物を作って食べるシーンがほとんどの中、時々ストーリーが動くのが妙に効果的な映画でしたね。

一方、他の若い村人役で三浦貴大と松岡茉優も出演していましたが、こちらは橋本愛と違って現地に思いっ切り溶け込んでいる感じだったのがとても印象に残りました。
主人公として見る者を引き込む美しい橋本愛、現地民にしか見えない親しみ易さの松岡茉優、どちらも素晴らしいです!
三浦貴大の年齢設定だけはちょっと?でしたけど、彼の台詞がグッと来る。
しかし田舎での自給自足生活は、想像以上に忙しそう、でも生きる為に作る、生きる為に食べる、全て自分で感じて自分で生きる、シンプルなんだけど何故だか心揺さぶられました。
出てくる料理もどれもおいしそうだったぁ~、料理に興味がある人だったら、橋本愛のナレーションにも聞き入ってしまいそうですね。
ストーリーが動き出した後編も気になります。

スペランカー