「大人への。」リトルプリンス 星の王子さまと私 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
大人への。
原作はそのまま、それ以外の周りのお話を創造した面白い作品。
飛行士が歳をとり王子さまは隣に住む少女へと語り継がれていく。
奇妙な老人が作りだす世界や小道具など、お受験真っ只中の少女
にはどれも不要なものばかりなのだが、そこで老人は大切な物語
として自身の過去を語り始める…画面は転調し、3DCGアニメから
クレイアニメ、パペットの世界へ移り変わる。純朴で味わい深い
挿絵の魅力を想像の世界では存分に堪能できる仕掛けだ。後半は
少女の冒険へと世界が広がり、そこで経験する(あるいは登場する)
懐かしの面々に笑ったり泣いたり。この世界に浸れるかどうかで
好き嫌いが分かれそうな作品ではあるが(子供向けとはいえない)
訴えたい内容の殆どは大人へのメッセージなのだから強ち間違い
でもなく、今作に登場する強引なママ同様に子供の心を忘れるな、
ということなのかと。分かっちゃいるけど…という大人は耳が痛い。
(豪華な声優陣(吹き替え版)もいいけど、どう聞いても津川雅彦で)
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