「予想以上に大人向け」リトルプリンス 星の王子さまと私 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
予想以上に大人向け
映画の出来そのものとしては素晴らしかったですが、見る人全ての心に響く内容かと言うとそれはちょっと微妙なような、何とももどかしさを感じてしまう作品だった印象ですね。
直接的な描写による感動と言うよりは、見る者それぞれが感じ取って欲しいと言う作風でしたので、子供向けアニメのようで、ややお子さんには厳しい内容だったような?
まあでも、物語の二重構造的構成と映像に関しては素晴らしいの一言でした。
原作の話はそのままに、それをそっくりそのまま9歳の少女の話に組み込む辺りの物語構成は、原作ファンへの配慮も感じましたし、原作を知らなくても楽しめるよう作られていて、そこは本当にお見事な構成だったと思いました。
原作部分はストップモーションアニメ、それ以外の分はCGアニメで構成されている辺りの使い分けも素晴らしかったですね。
映画オリジナルの部分、少女とおじいさんの交流は、単純に面白かった!
おじいさんと対比的に描かれたお母さんにビッシリ管理された少女の生活ぶりが、また極端に凄いものでしたので、尚更ね。
おじいさんに聞かされた「星の王子さま」から少女の冒険心が生まれ展開していくストーリー構成は、ホント良かったです!
しかし管理社会に生きている我々雇われ人にとっては、何とも耳の痛い話でしたねぇ。
現実はそうもいかずですから・・・でも自由に生きたい、ただじいさんのように子供心だけを持って大人になるのも微妙なような(苦笑)
まあ大切なものは目に見えない、大人になっても忘れてはいけないことがある、そう言ったメッセージ性には十分共感できましたけど。
予告編の出来が素晴らしかったので、ややハードルを上げすぎた分泣くまでには至らずでしたが、大人が見る分には十分見て損のないアニメ映画だったと思いましたよ。