劇場公開日 2017年5月20日

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「みんなホメすぎ。本音いっちゃおうよ。」夜に生きる Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5みんなホメすぎ。本音いっちゃおうよ。

2017年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ベン・アフレック主演・脚本・監督作品だが、いやな予感がする。

本命作品なら、もっと全国公開されてもいいはずなのに、松竹(ピカデリー&MOVIX)系列を中心とした限定的な公開だ。アカデミー作品賞を受賞した「アルゴ」(2012)から5年ぶりとなるわけで、確かに映画ファン"待望"なのだ。

原作は、デニス・ルヘインの同名小説。イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」(2001)、スコセッシ監督の「シャッター・アイランド」(2003)、そしてアフレック本人の処女作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」の原作者である。ますます気になる。

そしてその結果は・・・。ストレートなギャング映画である。もちろん徹底的に作り込まれた見事な演出、豪華な俳優陣。ベン・アフレックのギャングはカッコよく、ハイレベルの優等生作品に仕上がっている。だから評価は3.5である。

でも、みんなホメすぎ。この程度のギャング映画なら星の数ほどあるし。たぶん多くがベン・アフレック監督にそんなの求めてないよね。こんな平凡な展開の映画ではなくて、ねぇ? 違うよね。

その理由は、プロデューサーに名を連ねる、"レオナルド・ディカプリオ"の存在にありそうだ。本作の映画化権を押さえていたのは、実はディカプリオであり、お友達の依頼のニュアンスが強そうだ。ディカプリオは自分で買ったんだから、自分で主演すればいいのに。まさか、「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2002)や、「ディパーテッド」(2006)以上にならないと思ったのだろうか。それほど平凡である。

もちろんベン・アフレックとしても、原作者へのリスペクトもあるだろうし、また多くの俳優がそうであるように、絶対的なハードボイルド役は憧れであろう。でも「コンサルタント」(2017)のほうが、はるかに面白いよ。

あえて注目するのは、エル・ファニングとの初共演。主人公ジョー・コフリンのカジノホテル計画をつぶす、ワケあり少女の大演説が見どころ。

つまるところ、ベン・アフレックのファンだけが要チェックの作品である。

(2017/5/20 /新宿ピカデリー/シネスコ/字幕:岸田恵子)

Naguy