「さすがの表現力」インヒアレント・ヴァイス manamboさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがの表現力
トマス・ピンチョンの原作小説(邦題は『LAヴァイス』)を少し読んで、ピンとこなくて止めてた。僕が活字から読み取ることのできなかったものの正体、70年代のLA社会の空気感がカメラからビシビシ入ってきた。これこそ映画の醍醐味だな。
チャールズ・マンソン事件の爪痕をヒリヒリと感じる。麻薬を中心に不動産王、麻薬カルテル、弁護士、医者、大病院、警察、FBI、アウトロー、ネオナチ、ヒッピーが絡み合い、争い、もたれ合う。どうしようもない閉塞感と、滑稽で切ない人間ドラマ。PTAに感謝して、本の続きを読んでみよう。
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