「ジョーカー対サノスの構図が面白いだけ」インヒアレント・ヴァイス kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョーカー対サノスの構図が面白いだけ
数々の賞を獲っているポール・トーマス・アンダーソン。個人的になぜだか好きになれない作品も多い。これもその一つ。会話にはウンチクもあり、笑いもあるのだけど、その緩い笑いに騙されてプロットは置いてけぼり。登場人物がどんどん増える割にはヤク中のためか話も見えなくなる。唯一の救いは語り部ともなっているリース・ウィザースプーンのみ。
インヒアレント・ヴァイスは海上保険用語で「避けられない危険」という意味らしいが、黒幕以外にもそれぞれ当てはまるところは面白い。ただ、刑事や私立探偵の物語を期待するよりは、みんなラリってるところを楽しむだけだったかなぁ。
LAPDの闇の部分や政治的・人種的なシニカルな発言も、ストーリー同様あちこちにぶっ飛んでいるし、犯人?いや「黄金の牙」探し?一体何を見つけたかったのだろう。ビッグフットのトラウマも解消されてないみたいだし、最もハッピーエンディングなのはオーウェン・ウィルソンだけだった気もする。
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