白鯨との闘いのレビュー・感想・評価
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生きるための闘い。
事実は小説よりも…とはよく言ったもので、確かにそのとおり。
名著「白鯨」の裏にある真実はこうだった…なるほど。とはいえ、
そのまんま小説にはしなかったメルヴィルの選択も素晴らしい。
今作を観て、あーそうか。いやそういうことだと思ってはいた
けれど、と生き恥を晒す(終戦前後よく使われた言葉)の意味を
ズシリと噛みしめる。生きてこそ語り継がれたこの壮絶な話は、
白鯨との大勝負に留まらない。むしろその後が壮絶な旅になる。
まだ無名の小説家が生き残りの船員へインタビューを敢行する
過程からドキドキが高まり、帆船が大海原を快走し、ロープが
しなり、男達が鯨めがけて突き進む迫力は息を呑むほどである。
対する二人の男の物語。という出だしから、あーまたライバル
関係なのね^^;と思うほど人間ドラマも面白いが、後半でガラリ
様相は変わる。真の怖さはここからだ。と云わんばかりに辛い
決断が相次ぐ中、ただ生きるとはこういうことなのかを学んだ
青年が長きに渡って抱えてきた苦悩からやっと解き放たれた時、
もういいんだよ~。大丈夫だから。と、奥さんでなくとも彼の
肩を抱いてやりたくなった。その苦しみをエイハブ船長に全て
集結させたメルヴィル役のウィショーがまた役得必勝で上手い。
(俺たちは家族だ。と言い続けた男が約束を守ったことには感涙)
鯨を獲りまくってた黒歴史
鯨に敬意を払わずに乱獲していた頃の話で、ある意味で自業自得的なニュアンスで描かれているように思えた。
主人公たちは自然への畏怖や乱獲への懺悔を感じているんだろうけど、世間的には、そんなことは頓着しないのに、石油が採掘された途端に、手のひらを返すように捕鯨を反対しだし、「グリーンピース」や「シーシェパード」を生み出し、正義を押し付けてくる感覚は、やっぱり自分勝手さを感じる。
可もなく不可もなくという感じ?
捕鯨ってこんな感じなんだ
映像、音ともに迫力があり引き込まれた。
つい200年ほど前まではアメリカ人も捕鯨ガンガンやってたんだなぁ。
なんで今はあんなにも日本の捕鯨に反対するようになったのかが不思議である。アカデミー賞にノミネートされてもおかしくない今作品がノミネートされなかったのは捕鯨が今非常にセンシティブな問題だからなのだろうか。
プレミアシアターでの鑑賞は非常に快適だった。通常と同じ料金でリクライニング付きかつ足も広々伸ばせるなんてなんて良いのだろう。一席一席が独立しているから肘掛の問題も気にする必要がない。また利用したいと思う。
サバイバル
小説の白鯨をイメージしていましたが全くの別物でした。
人はどうあがいても自然にはかなわない
追い込まれた時の選択など
極限状態に追い込まれた時に出来る事というのは
限られたものだなと痛感しヒーローだとか奇跡だとか
というものが無い原寸大の物語
白鯨大暴れだけでも元はとれる!
本国では不評かつ大コケ…でも俺は嫌いになれない!というかかなり好き!前半のまさに「事実は小説より奇なり」とでも言わんばかりのケレン味溢れる描写は見応え十分。後半のサバイバルは目新しさこそ無いものの徐々に「プライドと友情」が醸成されていく様が悪くないじゃないか!
「後に『白鯨』を著すメルヴィルがエセックス号の乗組員から事故の真相を聞く」という構成に副作用があるのは確か。でも俺は作用の方が大きかったと思う
まず邦題にメルヴィル側のニュアンスが加わるのが一つ。もう一つは「そういえば土を掘ったら油が出たらしい」という乗組員の最後の台詞。鯨油から石油への時代の移ろいを感じさせる気の利いたもの。またこれを寂しそうに言うのがいいじゃないか!
ほんで副作用はというと…これは「人称の不一致」に尽きる。乗組員の回想なのになぜか物語は普通に三人称で進んでいくんだな。多分このへんが評論家ウケが悪い一因でもあるのかなとは思う。でもそれを言ったら『プライベート・ライアン』もダメってことになるけんな。俺は問題ないと思う
前半の白鯨大暴れシークエンスだけでもラクショーで元とれると思うんやけどなあ…
『白鯨との闘い』は毎年数作品ある「世間が評価しないなら俺だけでも評価してやる!」枠やな。評価されない理由もわかるけどそれも踏まえたうえで好き!
思っていたよりおもかった おもしろかったが 自分が多くの人が死ぬこ...
思っていたよりおもかった
おもしろかったが
自分が多くの人が死ぬことが苦手なこともあり
仲間がどんどん死んでいくのがしんどかった
島に流れ着いた時
卵を殻のまま食べてしまったり
するシーンには唖然とした
もちろん感動したシーンもあった
家族との再開のシーンがよかった
子供がくるくるでかわいかった
最後の白鯨との対面で
なぜ襲ってこなかったのか気になる
この映画が訴えかけるもの
1800年代、まだ人々が鯨油を主に使っていた時代が存在しました。
鯨油取りである船乗りたちが初め捕鯨船に乗って海にでて、鯨を殺すシーンは、今の時代の人間からするととても見ていて心苦しいところがありましたが、それは僕らが生きるために豚や牛を殺すのと同じです。
劇中では人間が鯨を狩り油をとることは神から与えられた指令なのだという言葉が出てきていました。
この映画に登場する巨大な白鯨は、欲にまみれた人間たちを抑制する神か、あるいは自然の脅威そのものであるかのように見えました。
こてんぱんにやられ、漂流する船乗りたちが、とてもとても小さく見えました。
映画全体としての評価としては、とてもよかったと思います。200年前の時代観もきちんと再現されていたように思うし、なによりこの映画でよかったのは俳優たちの演技です。
極限状態に追い込まれた人間たちによる、衝撃的なシーンもありましたが、見事なまでに全員の演技が素晴らしかったです。
壮大なテーマをもちかける映画でした。
飽くなき欲の前に立ちはだかるもの
人類の飽くなき欲の前に、圧倒的に立ちはだかるもの。
その威容と、それに対峙した者達の物語はとても見応えがありました。
白鯨との最後の邂逅と共に、捕鯨船エセックス号の出航のシーンがとても印象的でした。
お金、名誉、プライド。欲を帆にいっぱい受け、熱を帯び活気に満ちていました。身勝手だけどなんとも人間臭くワクワクしました。
エセックス号の物語が一気に語られなかったのは、少し気をそがれて残念でした。
クジラ。
メルヴィルの「白鯨」は、名前だけは知っているが、実はよくはわからない。かつて、「ブラック・レイン」(リドリー・スコット監督)の公開直後に、ロバート・デ・ニーロ主演で映画化されると報じられ松田優作が共演するとも言われていた。
そのメルヴィル(ベン・ウィショー)が「白鯨」を書くにあたって、遭難したエセックス号の生き残りトーマス(ブレンダン・グリーソン)に話を聞くところから物語は始まる。
ロン・ハワードのストーリーテラーとしてのうまさが出た作品になっていた。
巨大な鯨に襲われるシーンは、本作のハイライトであるが、それだけが見せ場というわけでは、けっしてない。
エセックス号が沈没してからの人間模様がヒリヒリするほどである。
トーマスの苦悩の理由も明らかになっていく。その苦悩の原因には不覚にも涙してしまった。
ロン・ハワードの新たな代表作になりうる映画である。
白鯨が読みたくなる
メルビルの名作「白鯨」が出来るきっかけになった事件を映画化したものだが、実際にあのような取材があったとは思いませんが、これを見ると難解で長編といわれている「白鯨」が読みたくなった。
大海原のど真ん中で
地球上で唯一文明を持つ生物は
今のところ我々人間だけと言われる。
文明を手にした人間は
高度に発展を遂げ
大自然をも支配下に置こうという
傲慢な錯覚に陥った。
大海原のど真ん中で
巨大な鯨に打ち砕かれたのは
船や金や鯨油といった資産だけに留まらず
職業や地位、階級のような
アイデンティティに纏わる概念や
生死に関わる宗教観や倫理観まで
ぐらつかせるに至ったのでした…
文明の屋台骨を失いかけた
人間たちの壮絶な記録
…なんてでかいこと言いたくなるほど感動。
3Dで観たがメガネが暗くて…
も一回2Dで観に行こうと思ってます。
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2016.2.11 TOHOシネマズ日本橋にて2回目
今回は2Dでの鑑賞
淡い色彩のナンタケットの風景が
なんとも郷愁をかきたてられ
男たちを過酷な試練に飲み込む
荒々しい海からの帰還に心底ホッとする。
前回より楽しめたんで☆半分プラス
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2016.2.18 丸の内ピカデリーにて3回目
何度観てもしみじみします。
BD買おっ
鯨の価値が生んだ悲劇。そこには意外性はない。
劇場予告とロン・ハワード監督作だけで鑑賞は、決めていた。あらすじや、原作など全く知らずに。
まさか、あんな過酷なサバイバルに展開するとは思わなかった。
直接描写こそ、控えめではあるが十分伝わる。
これでもかという現実、生存本能とも言うべき、自分ならとか、考えたくもない過酷さ。
当初、エセックス号最後の生き残り、新米乗組員が、なかなか取材に応じない理由がここにある。
確かに妻だろうが、ベラベラと話せる内容ではない。
また、当時の鯨の価値を思い知らさせたドラマでもある。今で言えば、石油。価値は、それ以上だろう。
単なる食料捕鯨だったならば、本作のような物語も生まなかったに違いない。
船長や一等航海士の責任は大きいのは言うまでもないのだが、また流れ者も含めた乗組員も一攫千金の鯨の価値を考えてみると、より捕獲を求めて、追撃戦にうって出るのもわかる。
邦題「白鯨との闘い」と題している通り、荒れ狂う大海原での鯨との格闘をばかりを描いたドラマと思っていた。
もちろん、鯨との格闘シーンや、捕鯨船の臨場感は、文句なしの大迫力!!
本作は、実に、当時の捕鯨にまつわる動機からの行動も、素晴らしくよく描写されている人間ドラマでもある。
如何なるものでも揺るがない、”海場"という名の小宇宙・・・
ここで使う"海場"の読みは"うみば"でなく"かいじょう"で行きたい。本来“かいじょう"の漢字変換は、“海上”であって“海場”じゃない・・・。実際漢字を探してみると、ヒットするのは“海上”だった・・・。それでも語彙力に等しい僕が“海場”を使いたかったのは、本作が“海の上”でなく、“海という場所”の話な上、そこに足を踏み入れてしまった男たちの話だったから・・・。
これを見てるとジェームズ・キャメロンが海に魅せられるのも分かる気がする。『タイタニック』は海底探査の最中から始まるし、製作のみの『ソラリス』だって原作は海が舞台ってあったし、ドキュメンタリーに何度もするほど、謎と神秘があるんだろうな。考えてみれば人の身体も解明されずな謎もあるし、共に自然が起源なわけだし、因果関係は深いんだろうな。
今回の『白鯨との闘い』はそんな海への好奇心が、息苦しいほどのサバイバル劇に交ぜて描いているのが良かった。自然は時に中立であるのは、テレンス・マリックが教えてくれたし(『シン・レッド・ライン』)、人智を超えた存在であるのを(ローランド・)エメリッヒが描いてくれた(『デイ・アフター・トゥモロー』『2012』)。『白鯨~』の場合“白鯨”という強いて言うなら身近に絞った。鯨は自然そのものと違って、倒す術はありそうだし、いくら巨大であろうが人には殺せないということはない。それがオーウェン・チェイス含むエセックス号乗員全員の“共通項目”。それを傲慢にし過ぎないのがハワード監督の凄さだね。
あんまり僕はロン・ハワードの映画を見たことないんだけど、『ダ・ヴィンチ・コード』と『身代金』『ビューティフル・マインド』は見た。特に『ビューティフル・マインド』は描き方が好きだった。“統合失調症”という精神障害に苦しむナッシュを“病人”として描かずに、ちゃんと“人間”で描き切ってて、最後のアリシアへ向けた賛辞に真実味が宿ってたから。勿論映画は記録じゃなくて、脚色前提のメディアだから、映画で描かれた事全てが事実であるとは思ってない。でも“統合失調症”の描き方を一度見れば、監督が如何に題材に対して、真摯に取り組んだが分かる(同じ理由で志村貴子さんの『放浪息子』も大好きです)。
本作でもハワード監督の描き方は顕著に尽きる。特に白鯨襲来後こそが“本番だ!”と言わんばかり!勇猛果敢な海の男、だけど短期な一面と名士の家柄を直接嘲笑・・・傲慢な面も目立つオーウェン。家柄から船長に選ばれ、現場経験も欠如で無謀・・・実績も信頼も備えたオーウェンに対抗心を剥き出しのポラード。容易にどちらかに寄り添わず、まるで公平なレフェリーみたいに、双方の内に宿る感情(軽蔑・卑下・敬意等)が巨大な白鯨襲来で如何に変異してゆくか?それを“映さぬ人肉描写”のパワーも駆使して描いてるから、拳に力が入りまくりで思わず目を瞑りかけた。根本に宿る人間ドラマ(14歳のニカーソン同様“新米乗員”なポラード船長が如何に一人の“漢”へ変わるか?屈強が尽きる極限の中でオーウェンが自我を保てるか?)も正真正銘の迫真だから、退屈という漢字二文字が全く一度も浮かべなかった。正直ここまでの映画だとは、まるで思っていなかった。
『白鯨』は一度も読んでないし、原作本の『復讐する海―捕鯨船エセックス号の悲劇―』も未読。でも全然問題ないって映画見終えた僕は思う。一つの海洋映画としても、サバイバル映画としても、役者目当てで見に行っても満足できる映画なんじゃないかな(対立から敬意へ変わるヘムズワースとウォーカーが良かったし)。
少し不満を挙げるとしたら、上映時間の短さかな?140分以上で撮っても、普通に見れると思うんだけどな・・・。あと過去への繋げ方がイマイチだったところかな・・・。
良かった!ただ、日本語タイトルが・・・
日本語タイトルと予告編から壮絶な白鯨とのバトルを思ってたんだけど、確かに白鯨は迫力あったし映像の素晴らしさは何とも言い尽くせない程素晴らしかったけど、白鯨とのバトルがメインテーマではなく極限状態での人間の行動を問うた映画でした。
まぁ、彼らの行動は仕方ないよねって思ったけど、人骨は早く海に流しとけよって思ったのは私だけでしょうか。
生命の尊さを感じる作品でした。鯨には人と変わらない心を感じたのは、...
生命の尊さを感じる作品でした。鯨には人と変わらない心を感じたのは、何度も観せる慈悲の眼差し。人は生きる為の選択が何度も何度も出て来て、諦めない事の強さを感じましたね。あと、元来鯨が好きなわたしは、多くの鯨が見れた、怪物と言える巨大な白鯨も素晴らしかった。
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