劇場公開日 2016年1月16日

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「圧倒的スケールで描かれる自然の驚異と人間ドラマ」白鯨との闘い 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0圧倒的スケールで描かれる自然の驚異と人間ドラマ

2025年1月11日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

「白鯨」は既読…と言えるほど覚えてません(笑)なので、補完目的で観ることに。

まず、9年前に映画館で観なかったことを物凄く後悔する羽目になりました。まだその頃はそこまで映画にハマっていなかったとはいえ、確か丁度「白鯨」を読み終えた時期。めっちゃタイムリーなのになぜ行かなかった!?過去の自分にジグソウ先生のデスマスクを被せてやりたい…。そのぐらい凄い迫力。圧倒的スケールで描かれる巨大な鯨と大海原。音響もさぞ素晴らしいものだったと思われます。おスマホ、イヤホンでこれほどの臨場感ですから…。チクショウ

ストーリー自体は特に捻りがあるわけでもなく、ストレートに鯨との戦いと海上でのサバイバルが描かれます。これから何が起こるか、大体分かっているのに引き込まれてしまうのは、俳優達の名演と映像の迫力によるところが大きいと思います。特に主演のクリヘムの「俺を見ろ…!」のシーンが素晴らしい!漂流生活の苦しさ、仲間を失っていく悲しみ、この先どうなるかわからない不安、そして必ず帰るという決意…それら全てを背負ったあの表情。心打たれます。

これは今知ったことなのですが…本作は、実際の歴史をベースにしたサバイバルドラマであり、メルヴィルの「白鯨」の背景にある実話に焦点を当てているとのこと。なるほど。エイハブ船長がおらんのはそういうことね。

確かに、漂流中の絶望感や極限状態での葛藤を描いた作品ではありますが、やはり巨大な白鯨の存在感は凄まじいです。そのあまりにも雄大な姿は神々しくもあり、とても人間の手の届かない存在。自然の驚異の象徴であり、神に近い存在のようでもあります。

まだこの映画を未見なら、ぜひ可能な限りの大画面で体験してほしいと思います。この大迫力の映像美と白鯨の存在感は必見です。

吹雪まんじゅう