「白鯨大暴れだけでも元はとれる!」白鯨との闘い ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
白鯨大暴れだけでも元はとれる!
本国では不評かつ大コケ…でも俺は嫌いになれない!というかかなり好き!前半のまさに「事実は小説より奇なり」とでも言わんばかりのケレン味溢れる描写は見応え十分。後半のサバイバルは目新しさこそ無いものの徐々に「プライドと友情」が醸成されていく様が悪くないじゃないか!
「後に『白鯨』を著すメルヴィルがエセックス号の乗組員から事故の真相を聞く」という構成に副作用があるのは確か。でも俺は作用の方が大きかったと思う
まず邦題にメルヴィル側のニュアンスが加わるのが一つ。もう一つは「そういえば土を掘ったら油が出たらしい」という乗組員の最後の台詞。鯨油から石油への時代の移ろいを感じさせる気の利いたもの。またこれを寂しそうに言うのがいいじゃないか!
ほんで副作用はというと…これは「人称の不一致」に尽きる。乗組員の回想なのになぜか物語は普通に三人称で進んでいくんだな。多分このへんが評論家ウケが悪い一因でもあるのかなとは思う。でもそれを言ったら『プライベート・ライアン』もダメってことになるけんな。俺は問題ないと思う
前半の白鯨大暴れシークエンスだけでもラクショーで元とれると思うんやけどなあ…
『白鯨との闘い』は毎年数作品ある「世間が評価しないなら俺だけでも評価してやる!」枠やな。評価されない理由もわかるけどそれも踏まえたうえで好き!
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