「クジラ。」白鯨との闘い mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
クジラ。
メルヴィルの「白鯨」は、名前だけは知っているが、実はよくはわからない。かつて、「ブラック・レイン」(リドリー・スコット監督)の公開直後に、ロバート・デ・ニーロ主演で映画化されると報じられ松田優作が共演するとも言われていた。
そのメルヴィル(ベン・ウィショー)が「白鯨」を書くにあたって、遭難したエセックス号の生き残りトーマス(ブレンダン・グリーソン)に話を聞くところから物語は始まる。
ロン・ハワードのストーリーテラーとしてのうまさが出た作品になっていた。
巨大な鯨に襲われるシーンは、本作のハイライトであるが、それだけが見せ場というわけでは、けっしてない。
エセックス号が沈没してからの人間模様がヒリヒリするほどである。
トーマスの苦悩の理由も明らかになっていく。その苦悩の原因には不覚にも涙してしまった。
ロン・ハワードの新たな代表作になりうる映画である。
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