「鯨の価値が生んだ悲劇。そこには意外性はない。」白鯨との闘い ななまがりさんの映画レビュー(感想・評価)
鯨の価値が生んだ悲劇。そこには意外性はない。
劇場予告とロン・ハワード監督作だけで鑑賞は、決めていた。あらすじや、原作など全く知らずに。
まさか、あんな過酷なサバイバルに展開するとは思わなかった。
直接描写こそ、控えめではあるが十分伝わる。
これでもかという現実、生存本能とも言うべき、自分ならとか、考えたくもない過酷さ。
当初、エセックス号最後の生き残り、新米乗組員が、なかなか取材に応じない理由がここにある。
確かに妻だろうが、ベラベラと話せる内容ではない。
また、当時の鯨の価値を思い知らさせたドラマでもある。今で言えば、石油。価値は、それ以上だろう。
単なる食料捕鯨だったならば、本作のような物語も生まなかったに違いない。
船長や一等航海士の責任は大きいのは言うまでもないのだが、また流れ者も含めた乗組員も一攫千金の鯨の価値を考えてみると、より捕獲を求めて、追撃戦にうって出るのもわかる。
邦題「白鯨との闘い」と題している通り、荒れ狂う大海原での鯨との格闘をばかりを描いたドラマと思っていた。
もちろん、鯨との格闘シーンや、捕鯨船の臨場感は、文句なしの大迫力!!
本作は、実に、当時の捕鯨にまつわる動機からの行動も、素晴らしくよく描写されている人間ドラマでもある。
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