「みな、生きるために命をはる。もちろん、クジラだって。」白鯨との闘い 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
みな、生きるために命をはる。もちろん、クジラだって。
オーウェンたちは、生きるためにクジラを捕獲してきた。白鯨も、生き残るために戦ってきた。オーウェンたちと白鯨との最後の邂逅シーンに、お互いのそんな生き様が映し出されていて痺れた。そりゃあ、あの傷だらけの白鯨の姿を見せつけられたら、銛を打ち込むことなんてできないね。
あれほど名家風を吹かせていたポラード船長が、極限の日々を乗り越えたおかげで、査問委員会(だっけ?)でかっこいい男っぷりを見せる。いい場面だった。
最後メイビルが生き残りのオッサンの家を去る時、「燃える油がでたらしいですね」的な世間話で別れるが、新しいエネルギー時代の到来をさりげなく示唆していて、かつて華やかだった捕鯨産業の終焉を暗示していた。
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