「意外に役立つ、ど迫力パニック映画!」カリフォルニア・ダウン 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)
意外に役立つ、ど迫力パニック映画!
原題はサンアンドレアス断層。カリフォルニア州南部から西部にかけて、約1,300kmにわたって続く有名な断層。ここがドカンと動いて、M9で西海岸が崩壊するというお話。実は昨年末に本国のリリースを観て、気になっていた映画だよ。
今までも大地震やボルケーノ等の映画で、幾度となく取り上げられてきたこの断層の大パニックが、最新のVFXで描かれるとなれば、やっぱり劇場で観たくなる。
映画は予想通り、気持ちが良いくらいのご都合主義ですわ。ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが扮する救助隊のリーダーなんて、被災地をガン無視して家族しか救う気ないし。つーかいつ見ても、ぶっとい腕だなぁ。気になってしょうがない。地震予想学者も、まじかよーってカンジだしね。
けどね、いいのいいの、そこには全く期待してないから(笑)
むしろ逆に前半で分かりやすい提示をしてくれて、親切だと思ったよ。ツジツマなんて気にしないでくださいね!その分震え上がらせますからって、とっとと監督のメッセージ受け取りました。
切り替えて、この人類観測至上最大の地震を体験しようってキブンで観ると、久々に出会えた超スケールのパニック映画。LAとサンフランシスコをことごとく破壊し、そこからサバイバルする様は、ドキドキハラハラの連続。
余談だけど、最近のハリウッドって、よくシスコの街壊すよね。ゴジラもターミネーターも猿の惑星にも、めちゃくちゃにされて。住んでる人は、どんな気持ちなんだろうか(笑)
予算も惜しみなくつぎ込み、CGくさいとこもそんなになくて、圧倒的クオリティの高さで恐怖な世界を見せつけてくれる。ビルというビルは崩れまくり、津波は容赦なく都市を飲み込む。凄まじい音と共に、突然どかーんどかーんって地震が来るので、ホラー映画的な体験もホントに怖い。震災にトラウマの方は、観ない方がよいかもしれない。そのくらいの迫力です。
そしてエンディングは、お約束な星条旗とUSAサイコーの幕引き。家族の絆も揺るがない。いつもの爽快なハリウッドシネマの読後感。
そんな薄めなストーリーと、ど迫力映像な映画だけど、実はなるほどなぁと感心することがたくさん詰まってる。それは地震時のサバイバル術。安全な避難場所の見極めや、携帯がダメな時の通信手段や、待ち合わせるのに適した場所や、自分の位置を知らせる手段などなど。
地震列島で断層が多い日本で暮らすには、いつかは役に立つかもしれない。教科書で見たことなんかより、映画の記憶の方がずっと残ってるもんだ。そういう意味でも、見ておいてちっとも損はない、大パニック映画だと思うよ。